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北陸経済ニュース

移動販売車 商機あり ゼック 埼玉に関東営業所

イベントスペースとしても活用できる関東営業所の室内=埼玉県川越市で

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 常設店舗を持たない「移動販売車」を使うビジネスが広がっている。石川県野々市市の中小企業は二〇二〇年の東京五輪のにぎわいを狙って早くも首都圏に乗り込んだ。福井県越前市のJAは今月から、高齢者などの生活の不便を解消するため地域訪問を始めた。都会と地方双方での活躍が今後も増えそうだ。

東京五輪にらみ開設

 移動販売車など製造、販売のゼックは埼玉県川越市に関東営業所を開設した。東京五輪に向けて首都圏で増加が予想される移動販売車の需要を獲得する。地方の飲食店事業者が移動販売事業に参入する足掛かりにしてもらい、「地方の食」のアピールにも貢献する。

 一九八九年に創業した同社はキャンピングカーを受注生産。量産型の車両が主流になったことで二〇〇〇年代初頭からキッチンカーなどの移動販売車を主力にしている。

 注文に応じて可動式の作業台や、天井に断熱材を採用するなどキャンピングカーで培った丁寧なものづくりが強み。軽自動車から大型トラックまで多様な車種に対応し、全国の食品メーカーや飲食店チェーンなどからも引き合いがある。現在は移動販売車が車両販売の売り上げの95%を占めている。

首都圏での事業拡大に意欲を見せる永井祐城社長=石川県野々市市で

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 東京都心部の多くの飲食店は現在でも昼食時に混雑し、東京五輪開催時にはさらに店舗や客が増える可能性が高い。こうした中、地方の事業者が都心部で店を構えるのは資金や立地などの面で厳しくなる恐れがあるが、移動販売車なら比較的営業がしやすい。

 加えて、五輪を機に訪れる国内外の観光客に首都圏だけでなく地方の食べ物を味わってほしい思いもある。永井祐城(ゆうき)社長は「移動販売車ならできたての本場の味をその場で提供できる。地方の魅力を発信するのに最適」と話している。

 関東営業所は倉庫スペースを借りて七月に開設。川越市を選んだのは、地方の事業者が北陸新幹線大宮駅や関越自動車道からアクセスしやすいため。販売車の簡単なメンテナンスを請け負うほか、軽自動車をベースにした販売車のレンタルもする。事務所をイベントスペースとしても提供することを検討している。永井社長は「地方を活性化する有効な手段にしたい。今後も関東での拠点を増やしたい」と意欲を見せている。 (織田龍穂)

 

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