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北陸経済ニュース

事業所保育 先進の先へ 富山 インテック施設 開所10年

開所から10年が過ぎたインテックのキッズホーム=富山市内で

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 情報技術のインテック(富山市)が設けている社員向けの保育施設「インテックキッズホーム」が開所から十年余が過ぎた。待機児童対策や働き方改革のため、国が昨年から始めた企業主導型保育事業への関心は高まり、「先進例」のホームをさらに充実させる方針だ。 (石井真暁)

 キッズホームは、事業所内の託児施設が珍しかった二〇〇七年四月に、当時県内最大規模の施設として本社ビルの隣に開設。四階建て延べ三百平方メートルある。女性社員の利便性を高めようと、「ママさん社員」に意見を聞いて運用方針や施設内容を決めた。現在、グループ社員のほか、近隣企業の従業員の家庭から十五人が通う。開所時間は基本的に平日の午前八時十五分〜午後六時半。午後七時半まで延長保育をしている。

 事業所内保育施設の利点の一つは会社のすぐそばにあること。送迎時間を短縮でき、子どもの急な発熱にもすぐ対応できる。会社の事情に合わせた柔軟な運用も魅力で、給食を親子で味わう行事では会社の昼休みを利用しての参加もできる。会社の行事がある土日には臨時開所する。こうした取り組みに県内外からの見学者が相次いでいる。

 開設時に予想していなかった事態も出てきた。受け入れは就学未満の五歳(年長)児までだが、実際に通うのは二歳児まで。就学前に自宅近くで友人をつくらせたいと考える保護者が多いためだ。

 インテックは今後、調理室を新設するなど、より使いやすい環境に整える考え。キッズホーム所長の林弘明専務執行役員は「北陸でも事業所内保育施設のメリットは大きい。女性が今後ますます活躍するために、子育てと仕事の両立を支援したい」と話している。

北陸10年間で46カ所増

 共働き世帯の増加や核家族化で保育施設を利用したい人は増えている。北陸三県の事業所内保育施設は過去十年間で少なくとも計四十六カ所増えた。富山、石川、福井のいずれも増加している。

 調査時期は各県ごとに違うが、判明している事業所内保育施設数は富山が五十三カ所(うち企業主導型は二カ所)、石川が四十六カ所(同七カ所)、福井が十九カ所(同二カ所)。十年前は富山が三十二カ所、石川が三十四カ所、福井が六カ所だった。

 金沢市内では企業主導型の保育施設が今年四、五月で計四カ所開設し、秋にも一カ所ができる。このうち三カ所は若い夫婦が多い金沢駅西地区。富山市内にも六月に一カ所ができた。

 国が定義する「待機児童」がゼロの金沢市や富山市でも希望の施設に入れないケースもある。四月時点では金沢市では保育所や認定こども園の定員一万三千二百四十九人に対し、最終的に七人が希望の施設に入れなかった。富山市では定員一万一千九百三十九人に対し、最終調整後も百八十三人が入園できていない。

 保育行政に詳しい北陸学院大の虹釜(ごのかま)和昭教授は「事業所内保育施設が北陸で根付くかはまだ分からない。社外に開放することもでき、保育の質の『見える化』が必要で会社側のアピールも大切」と話している。

 

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