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狙いを聞く

改修で安全な住宅を OSCAR J.J 水嶋智仁社長

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リノベーション事業本腰 

 人口減で空き家問題が深刻化する中、住宅事業を手掛けるOSCAR(オスカー) J(ジェイ).J(ジェイ)(富山市)が既存住宅のリノベーション(改修)事業を本格化させている。目指しているのは、住宅を高い価値の資産として維持しながら、何世代にわたって住み継いでいく「循環型住み替え社会」の実現。水嶋智仁社長は「既存住宅のマーケットが大きくなる時代がもうそこまで来ている」と期待感を示す。(織田龍穂)

 −リノベーション事業に参入した経緯は。

 「私たちは安全基準を満たすための改修工事まで踏み込んだ物件をリノベーション住宅と呼んでいる。業界では外壁や間取りを少し触ったぐらいの『お色直し住宅』がリノベーション住宅として売り出されていることも多い。しかし、現在売りに出されている既存住宅は一九八一年以前の建築基準法で造られた物件で、断熱性や耐震性能をクリアできていないことが多い」

 「罰則強化や車の性能改善で全国で発生している交通事故の年間死者が四千人を切る一方、ヒートショックで亡くなる人は依然、年間一万七千人もいる。だから、今後三十年、五十年と使ってもらえるよう見えない所もきちんと直して新築と同等か、それ以上の状態で売ろうと考えた」

 −自社の強みは。

 「家を全面的に裸の状態にして、現状の基準に合うように基礎や耐震、断熱の補強のほか、間取りを変えたり屋根を張り替えたりしている。構造計算や設計などは外注に依存しない。これまで新築やリフォーム、不動産といった事業を手掛けてきた歴史があり、人材やノウハウの資産が社内にそろっているからだ。専門資格を取るために社内勉強会を開き、既存住宅の販売が進んでいる米国に社員が販売方法などを勉強しに行っている」

 −今後の展開は。

 「日本の年間新築着工が九十数万戸なのに対し、既存住宅の売買など流通量は三十万戸ほど。全国の空き家数が一千万戸を超えようとしている中、既存住宅を活用しなければならない段階にきている。今は金利が低いから新築建設も旺盛だが、二〇二〇年の東京五輪前後に金利が上がったら、新築を買える層が20%ほど少なくなるのではないか。そんな時、新築価格より二〜三割安く既存住宅が買えれば、間違いなく脚光を浴びてくる」

 「あくまでリノベーション事業は既存住宅の再流通に向けた取り組みの一つで、それだけをやるわけではない。中古車市場のように開かれた形で既存住宅が流通するような新たな知恵を出し、市場を盛り上げていきたい」

 みずしま・ともひと 大学卒業後の1977年、「オスカー」に新卒1期生として入社。約10年間勤務した後、別の会社での勤務を経て、2007年にオスカーに再入社。経営企画室長などを経て14年から現職。座右の銘は「一生勉強 一生青春」。趣味はガーデニングと旅行。富山県朝日町出身、63歳。

会社メモ

 「オスカー」の社名で1975年にホームセンター事業を始め、82年から増改築などのリフォーム事業、新築住宅請負、商業施設開発、住宅不動産の流通事業などを順次、拡大した。住宅と増改築事業を分離して84年に「オスカーホーム」を設立。2014年2月に現社名になった。昨年からリノベーション事業に本格参入し、既に10棟以上を手掛ける。従業員数は1月末現在、274人。

 

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