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狙いを聞く

損しない ノウハウを クラスコ 小村典弘社長

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空き家対策 AI活用

 不動産業のクラスコ(金沢市)は増え続けるマンションやアパートの空き室を減らそうと、人工知能(AI)を活用した改善策の提案や中古物件のおしゃれな改装などさまざまな取り組みを進めている。小村典弘社長は「ノウハウが分からずに不動産経営に乗りだしたオーナーに損をしてほしくない」と強調する。(嶋村光希子)

 −空き家問題は北陸でも深刻なのか。

 「少子高齢化に伴い毎年増えている。空き室が増えているにもかかわらず、好景気による投資で新築物件は増えている。特に三年前の北陸新幹線開業で金沢駅周辺は飲食店などが増えて住みやすくなり、家賃が高騰している。一方で、交通の便の悪いエリアをはじめ間取りや設備、内装の古い物件は時代に合わずに空き家となって二極化が進んでいる」

 −どのような取り組みをしているのか。

 「今年導入するのが『満室の窓口』というAIを活用したサービス。古くて人気のなくなった物件にどうしたら入居してもらえるかという改善策を過去のデータを分析しながら導き出す。六月に実店舗を金沢市内に設ける。全国の不動産業者を対象に夏からサービスを提供し、本年度中に百店の加盟店を目指す」

 「中古物件を一室一室異なるイメージで、より魅力的に改装するノウハウを同業者に提供する独自の『リノッタ』ブランドは加盟店が全国で四百六十店超まで広がった。IoT(モノのインターネット)を活用して家具や照明を操作できる『ロボッタ』事業も好調。今後は家具付き賃貸にも力を入れたい。デザインや機能をアップして部屋の魅力を高められると、オーナーにアピールしたい」

 −取り組みを始めた経緯は。

 「不動産オーナーから『相続対策で高い物件を買って賃貸経営を始めたがうまくいかない』と、嘆く声を多く聞いてきた。最悪の場合、家賃下落などのリスクを把握しておらず破綻するケースもある。情報不足でオーナーはどこに相談していいかも分からない。私たちが蓄えてきたノウハウを全て教えるので、損をしてほしくない」

 −今夏からは宿泊業にも参入する。

 「金沢はホテルの建設ラッシュといわれるが、金沢駅周辺の宿泊需要はまだまだあるとみている。古いビジネスホテルを一棟まるごと外国人も好むような和風に改装して活用することで空き物件対策にもつながる。今後は民泊事業もやりたい。これも空き室活用の一環になる。空いた部屋を時間貸しして会議室やオフィスなどに活用できないか。空き室がどんどん多くなる中、空間利用という面で私たちがどうお役に立てるかを常に考えている」

 こむら・よしひろ 1998年に大学を卒業後、東京の不動産コンサルタント会社勤務を経て99年タカラ不動産(現クラスコ)入社。2014年7月に3代目の社長に就任。不動産管理に関する世界的な資格CPM(米国認定不動産経営管理士)を持つ。趣味は読書、トレーニング。金沢市出身。43歳。

会社メモ

 1963年に金沢市玉川町通りで「タカラ不動産商事」として創業し、創業50周年の2013年にクラスコに社名変更。全国へ経営コンサルティングをする「クラスココンサルファーム」、デザインの「クラスコデザインスタジオ」など7社のグループ会社がある。従業員数は約200人。17年6月期の売上高はグループ全体で約42億4300万円。

 

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