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狙いを聞く

参入半年の新電力 石川電力 堀敬亮社長

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地域密着で寄付も

 「石川県初の電力会社」を掲げる新規電力事業者(新電力)の石川電力(金沢市)が昨年十月に電力供給を始めて半年がたった。収益の一部を県内のスポーツ振興に使ってもらう独自の寄付制度「ふるさと納電」で地域密着をアピール。北陸電力(富山市)が四月から電気料金を値上げしたことも追い風に、堀敬亮取締役社長は「事業は順調」と話す。(織田龍穂)

 −会社を立ち上げた理由は。

 「石川と福井で使われている電気の料金、『電力マネー』は北陸電力の本社がある富山県に流出している。石川で支払われる電気料金は年間千五百億円といわれ、非常に大きな額。石川に電力会社をつくることで県外に流出するお金を県内にとどめ、地域活性化にもつなげられないかと考えた」

 −石川での事業にこだわる理由は。

 「大学から会社員まで県外で生活したが、都会と地方で情報が伝わる速さに差があることが嫌だった。電力小売りの全面自由化が二〇一六年四月に始まったが北電の電気料金は全国的に安い。北電管外で設立された会社は利幅が少ないので、最後に攻める地域が北電管内になるだろうと感じた。それなら全面自由化直後に地元の人に支持される会社をつくろうと思った。石川で会社を立ち上げることで自由化のメリットを地元にいち早く伝えられる」

 −事業を始めて半年間の状況は。

 「顧客数は十月に比べ約四倍、供給電力量は十倍に伸びた。当初は問い合わせは少なかったが、北電の値上げ発表後に一カ月五十件以上に増えて、企業向けは一日に二、三件のペースで料金試算をした。営業に行くと、以前は『自由化って聞いたことあるなあ』ぐらいの反応だったが、今は『良い会社がないか調べていた』など新電力への認知度が変わってきていると感じている。地元の人から『地元の会社だと安心する』という声を聞くし、県内にお金を落とすという仕組みにも賛同してもらえているようだ」

 −ふるさと納電の現況は。

 「売り上げの数%をプロバスケットボールBリーグの金沢武士団(サムライズ)の運営資金に充てるのが『サムライズ電気』。各試合会場で声掛けし、後日の申し込みが徐々に増えている。ただ通常のプランへの加入の方がやはり多い。第二弾、第三弾の話をすでに進めている。スポーツ系のほか、福祉分野への応援の構想もある。夏ぐらいまでに第二弾を出したいと考えている」

 −今後の戦略は。

 「代理店は金沢近辺を中心にガス会社や住宅リフォーム会社など十社ほどに増えた。もう少し県内全体で増やしていきたい。さらに石川の力になれるような面白い取り組みを考えている」

 ほり・けいすけ 京都産業大中退後、三菱電機グループでの営業、リクルートグループでの人材派遣の営業などを経て、2016年に小田柿(おだがき)陽介氏らと3人で石川電力を設立し、取締役に就任した。趣味はスポーツや音楽鑑賞。座右の銘は自分以外のあらゆるものが勉強になるという意味の「万象皆師(ばんしょうかいし)」。石川県野々市市出身、37歳。

会社メモ

 2016年9月に設立。17年5月に小売り電気事業者に登録され、日本卸電力取引所から電気を調達し、10月から家庭や店舗、工場などに販売している。石川県に本社を置き、電力を供給している新電力は石川で第1号。設立時に社長だった小田柿陽介氏が代表取締役を務める。社員は小田柿、堀両氏を含めて4人。本社は金沢市藤江北。

 

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