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狙いを聞く

地域と連携需要発掘 日本公庫北陸創業支援センター 得能秀和所長

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創業支援融資が好調

 日本政策金融公庫(日本公庫)が北陸三県で創業支援融資を伸ばしている。二〇一六年度は件数、金額ともに〇八年の公庫発足以来の最高を記録。一七年四〜六月期も前年同期を上回っている。北陸創業支援センター(金沢市)の得能秀和所長は「地域と連携し、潜在的な創業者を少しでも掘り起こしたい」と話す。 (平野誠也)

 −創業支援の主な取り組みは。

 「各種セミナーの共催や自治体などによる創業塾への講師派遣、商工会議所などでのパネル展を実施しており、自治体とのネットワークを通じた連携にも取り組んでいる。先日も福邦銀行や楽天とのセミナーで講師を務め、創業計画の立て方の基本を講義した」

 −融資先はどのような業種が多いか。

 「一六年度はサービス業が百四十三件と最も多く、飲食業・宿泊業の百二十六件、不動産業の五十八件の順だった。特徴的なのは古民家を改装したゲストハウスなどの簡易宿所が増えたこと。一五年度のゼロから一六年度は七件になった。北陸新幹線の開業で増えた観光客のニーズに応える動きが見られる」

 −女性向けの創業セミナーもある。女性の関心はどうか。

 「高いと思う。一六年度の融資先に占める女性の割合は全国が22%だったのに対し、北陸三県は32%。北陸は三世代同居が多く、女性が働きやすい環境があるため関心の高さにつながっているのでは」

 −創業を考えている人にどのようなアドバイスをしているのか。

 「創業を成功させるポイントは優れたアイデア、事業に関する経験、幅広い人脈、綿密な情報収集、自己資金。ビジネスプランはこれらを組み合わせて作るが、何度も繰り返し考えることが大切。創業にはリスクがある。私たちがよく言うのは、小さく始めて大きく育ててくださいということ。初めはいい設備をそろえたいとみんな思う。しかし、欲しいものでなく、必要なものをそろえて設備資金を抑えるのが成功のこつ。中古品でもいいのかどうか、専用の車は必要か、自家用車で間に合うのかなど取捨選択をしてほしい」

 −支援に当たって改善や工夫をしたいことは。

 「創業の希望者はどこにいるか分からない。潜在的な創業者をいかに掘り起こすかは一機関では限界があるので、地域と連携するしか方法はない。創業する人にとっては創業自体よりも事業をどう軌道に乗せるかが難しい。支援機関がどう連携してフォローアップするかも検討していかなければいけない」

 とくのう・ひでかず 慶応大卒業後、1997年に国民金融公庫(現日本政策金融公庫)入庫。渋谷、名古屋、秋田の各支店などに勤務し、水戸支店融資課長を経て今年4月から現職。趣味は海外、特にアジア旅行。神奈川県出身。42歳。

メモ

 創業支援の融資対象は、創業前と創業から1年以内の法人、個人事業者。北陸3県では金沢、小松、富山、高岡、福井、武生の6支店が担当している。2016年度は3県で547件、計45億円を融資した。業種別の件数は美容業の55件が最も多く、貸家業43件、酒場・ビアホール33件と続いた。

 

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