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狙いを聞く

「箔ある未来」つくる 箔座 高岡美奈社長

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新事業に付加価値を

 今春、箔(はく)製品製造販売の箔座(金沢市)トップに就いた高岡美奈社長。伝統工芸が根付く金沢は、金箔の全国シェア99%を誇る。先代社長の昇会長の次女として、同社で金沢と東京の直営店開業に尽力した経験を生かし「『箔がそこにある』未来をつくりたい」と付加価値を付けた商品づくりに意気込む。(嶋村光希子)

 −就任からまもなく約八カ月。振り返ってどうか。

 「これまでの専務の業務とは重荷が全く異なり、一変した。これまでは会長のかじ取りのもと、のびのび自由にやらせてもらっていたと痛感する」

 「最近は毎週末店舗に立っている。やはり現場は大事。長く商品や店舗開発に携わり、現場から離れていた感覚を取り戻している」

 −社長として成し遂げたいことは。

 「一番は『原点回帰』。金箔の伝統的な技法を後世にしっかり残すという使命を果たしたい。箔の材料そのものとして、神社仏閣の国宝や重要文化財のほか、仏壇仏具に使われる金箔で貢献する。一方で、そういった用途は宗教離れや仏壇を置かない家庭が増えるなど先行きは厳しい。そのためもう一つの柱として、付加価値を付けて今の時代に合うものを作り、箔の良さを現代の人に伝えたい」

 −社内外での課題は。

 「社内はやはり人手不足。接客や販売に人手が足りない時には、他部署から補う時もある。直接お客さまの声を聞くことで学ぶことは多いと思う」

 「会社を取り巻く経営環境としては、箔素材の需要の落ち込みや金相場の高騰を懸念している。価格競争になる一方、価値があることを発信していきたい」

 −新事業への意気込みは。

 「いくつか考えている事業のうち、材料の需要づくりで食と美容分野での商品開発には引き続き力を入れる。食品では、まず何よりも安全安心の金箔を提供する。化粧品でも、金箔を使い、働く女性でも簡単にお手入れできるような、時流に沿った製品を考えている」

 「食でも化粧品でも、口にしたり肌に付けたりする金箔は、和紙を使った自然由来の『縁付』の製法にこだわりたい」

 −伝統産業での女性社長は珍しいとされる。難しさは。

 「二年前に出産し、二人の子を育てながら社長業に励んでいる。正直大変と思う時もあるが、お客さまや従業員にとっても、妻として母として、さまざまな立場の考え方を持っていることは重要。ビジネスも、家庭のことも、バランスを取りながら進めていく。女性ならではのセンスを持ちながら、自分にしかできない『箔道』を極めていきたい」

 たかおか・みな 玉川大文学部を卒業後、東京の企画会社での勤務を経て、1997年に箔座入社。常務、専務を経て、2017年3月から現職。子会社で箔素材の製造販売を手がける「高岡製箔」(金沢市)の社長も同時に就任。金箔を生かしたオリジナルコスメの開発にも携わった。リフレッシュ方法はバレエストレッチ。金沢市出身。46歳。

 会社メモ 1976年に設立。金箔、銀箔などを生かした商品開発と製造、販売を手がける。直営店舗「箔座本店」「箔座ひかり蔵」「箔座日本橋」「箔座長町」を運営。通信販売も扱う。資本金は3000万円。従業員(パート含む)は高岡製箔と合わせて108人。

 

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