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狙いを聞く

新しいこと 常に挑戦 心結 越田晴香社長

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金沢観光 着物レンタル 

 金沢の街並みで増える華やかな着物姿の観光客。金沢で初めて観光客向けの着物レンタル業を始めた心結(ここゆい)(金沢市)では、北陸新幹線が開業した二〇一五年の顧客数が約七千八百人で前年から倍増し、一六年には一万人を超えた。越田晴香社長は「京都とは違う金沢らしい着物を着てもらおうと心掛けてきた」と手応えを話し、小さくても面白いことをやろうと新たな取り組みを模索している。 (織田龍穂)

 −着物レンタルを始めたきっかけは。

 大学時代の京都旅行で着物レンタルをして街を歩いた時、外国人に話し掛けられたり、おばあちゃんに着崩れを直してもらったりして楽しかった。旅行で全国を回って感じたのは、名所や美食だけではその場所がどこだったかを忘れてしまう一方で、人との触れ合いがあった場所は忘れないこと。着物は着るだけでつながりが生まれるすごいツールだと気が付いた。ただ、着物レンタル業はもう少し年を重ねてからやる夢だと思っていた。

 大学卒業後、東京で会社員になったが、都会はあまり自分には合わなかった。一方、都会の人は金沢へのあこがれが強いことを知り、自分がやりたいことが実際に求められていると感じた。やるなら真剣にやろうと事業を立ち上げた。

 −心結の強みは。

 田舎に帰ってきたような人との触れ合いを大事にしている。お客さんは金沢駅に降りてすぐにここにくる。私たちは初めて話す地元民で金沢の最初の印象になるから、着崩れしない着付けはもちろん、観光で分からないことなどは教えてあげるようにしている。

 新しいことに常に挑戦することも大事にしている。大正時代のアンティーク着物や変身写真といった新プランのほか、八月にはホームページでの即時予約システムを金沢のレンタル店で初めて導入した。これまでは電話やメールで受け入れの空きを調べるやりとりが必要だったが、今はホームページで空いている時間帯のボタンを押すだけで予約できる。友人や恋人と旅行の予定を組む時、大抵は話すのは夜。それなら夜でも予約が確定できるシステムが必要だと考えた。

 −今後の戦略は。

 外国人観光客で、欧米の顧客をより取り込みたい。創業以来、香港と台湾には注力し団体客も受け入れているが、欧米はまだ多くない。当社は子ども向けの着物も多いので、長期滞在している家族などの層に魅力が広まればいいと思う。

 地元向けには新たな成人式プランも考えている。お母さんの古い振り袖をウイッグや手袋などの小物で今風にアレンジして雑誌のモデルのような前撮りをするなど、新たなニーズに応える。小さな会社なので他社がやっていない部分を狙っていきたい。

 こしだ・はるか 富山大卒業後、2009年4月にPFU入社。東京営業部でサーバーなどの営業をしたが1年ほどで退社し、10年に心結を立ち上げた。好きな言葉は「万物は流転する」。変化が大きい業界において事業の形もニーズもどんどん変わっていくことが普通だと考えていることから。趣味は美術館スタンプ集めやダイビング。金沢市出身、30歳。

会社メモ

 2010年5月に個人事業で創業。金沢で初めて街歩きもできる観光客向け着物レンタル業を立ち上げた。法人化は16年8月。今年3月に金沢市本町の新店舗に移った。加賀友禅や能登上布など地元の本格的な着物も多数扱うのが強み。従業員は美容師や着付師、カメラマンら20人。

 

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