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狙いを聞く

「塾」から成功事例を 石川県経営者協 菱沼捷二会長

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働き方改革へ来春開講

 石川県経営者協会は二〇一八年度、働き方改革の「塾」を立ち上げる。仕事の在り方の抜本的見直しが求められている中、改革を推進する企業を育成し、具体的な実践例を公表する全国でも珍しい試み。菱沼捷二会長(津田駒工業会長)は「一年間かけて成功事例をつくりたい」と意欲を見せる。(坂本正範)

 −塾を立ち上げる経緯は。協会には既に研究会もある。

 「経営者協会は従業員の労働環境を良くしようという団体。五月に働き方改革研究会を立ち上げ、講演会を何回か開いたが、企業で理解の程度に差がある。スタートしていない企業があれば、既に始めた企業もある。同じところで勉強会をしてもしょうがないわ、と。研究会は勉強会。既にスタートした企業をさらに進歩させようと考えた。実践する企業が塾に入り、勉強する企業は研究会に残ってもらう」

 「来年四月にスタートし、取り組みを研究会の企業に開示してもらい、その企業にも加わってもらう格好で全体の改革を進める。塾で成功事例になれば、それを他の企業にオープンにしたい。まだ案の段階だが、成功の事例集をつくって県内に普及したい。石川が全国に先駆けて取り組むのは良いこと。全国のリーダーになれる」

 −地元企業の改革の現状をどう認識している。

 「改革をしなければいけないと思ったところぐらいだろう。大手企業は中小企業より改革をやりやすい。大手が華々しく『残業がない』『給料を上げる』と言って、そうしたことばかりが目に付くと、学生は大手に就職しようとなりかねない。そうなるとえらいことになる。生産性を上げないと人材が県外に流出するかもしれない。中小はますます苦しくなる。改革をへたに推進すると、逆に人材が県外に出ていきかねないと心配している」

 「当社は設備投資しながら、例えばロボットで省人化対策を進めている。もっとうまくいくように少子高齢化も含めて改革をせざるをえない。率先して取り組む。今は人手不足ではない。会社が成長するには人を増やす方向にいきたい。成長するには企業は利益を上げないといけないし、従業員一人の稼ぐ額を上げてもらわないといけない。そのために改革をしないと」

 −働き方改革で国へ望むことはあるか。

 「改革はワークライフバランス(仕事と生活の調和)と生産性向上の二つの面から真剣に考えることが大事。どっちが卵か鶏か分からない状況の中で、政府が改革、改革と言うからやらないといけないと思っている人が多いだろう。『給料上げろ』『休みを増やせ』が先になると中小は困ったことになる。国はしっかり議論して早く進めてほしい。例えば中小の製造業がロボットを導入するにはお金がかかる。簡単にできない。助成制度などいろんなことをしてもらわないと」

 ひしぬま・しょうじ 東京理科大を卒業後、繊維機械メーカーの津田駒工業(金沢市)に入社。常務、専務、社長を経て2015年2月から会長。公職では08年6月から石川県経営者協会長、16年6月から北陸経済連合会副会長、今年6月から石川県鉄工機電協会長を務める。東京都出身。75歳。

 メモ 働き方改革塾は2018年4月にスタート予定。改革を実践し、取り組みの成果を公開できる企業が対象。20社程度の募集に30社が応募した。1年間に4回開催し、働き方改革の第一人者・中央大大学院戦略経営研究科の佐藤博樹教授が指導、助言する。

 

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