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狙いを聞く

働き方改革 応援団 石川労働局長 小奈健男さん

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 石川労働局(金沢市)は八月、働き方改革を石川県内の企業に広めるため、県内に本店を構える八つの全金融機関と連携協定を結んだ。都道府県内にある地場の全ての金融機関とこうした協定を結ぶのは全国でも珍しい。小奈健男局長は「企業と密接に関わる金融機関の力添えが重要」と地銀や信金などの役割に期待する。(平野誠也)

全地元金融機関と協定

 −協定を結んだ狙いは。

 働き方改革は労働の質を高めて生産性を向上させるためで、労働局も周知を図っている。しかし、まだ県内に浸透しているとは言い切れない。金融機関は日頃から経営支援などを通じて地場の企業について知見があり、ネットワークもあって頼りになることから協定を呼び掛けた。金融機関にとっても企業の安定的な成長が大事で、互いの考えが合致した。

 −協定を基にどんな活動をするのか。

 企業に国や労働局の施策を知ってもらい、活用してもらうため、企業とネットワークを持つ金融機関と労働局が情報を共有することが大事。金融機関の職員が企業に行く際、働き方改革や助成金に関するパンフレットを提示してもらう。金融機関が開くセミナーの共催や講師の派遣もしたい。一方、金融機関が企業と関わる中で把握した企業側の課題や相談内容を労働局につないでもらい、労働局で個別に支援していく。金融機関との連携を強化するための会議も開きたい。

 −県内の労働環境の現状は。

 残業に当たる所定外労働時間(二〇一五年、パートを除く)は百五十八時間で全国平均を十五時間下回っているが、年間総実労働時間(同)は二千四十三時間で全国平均を二十二時間上回っている。従業員一人当たりの年次有給休暇取得率(一五年)は全国の49・90%に対し、石川県は42・50%と下回っている。

 県内は勤勉な人が多い。休まず一生懸命仕事をする。北陸新幹線の開業効果が持続し、観光客が多く訪れる中、小売りや宿泊、飲食業は人手不足もあって若干オーバーワークになっているのでは。

 −石川労働局のこれまでの取り組みは。

 昨年十二月から働き方改革等推進会議を開き、労使団体のトップや県、金融機関などと情報を共有しているほか、労働環境の現状などを知ってもらおうとパンフレットを作った。昨年四月に雇用環境・均等室をつくり、働き方改革を助言するスタッフもいる。労働局には助成金などの支援メニューや相談窓口があるので、ぜひ活用してほしい。

 −働き方改革を広める上で他に強調したいことは。

 県内では中小企業や小規模事業者が多くを占める。大企業や名だたる企業には自社の観点だけで働き方改革を進めるのではなく、業界や関連会社、取引先や下請けに改革のしわ寄せがいかないよう配慮して、と言いたい。

 おな・たけお 1980年、旧労働省(厚生労働省)に入省。独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構雇用推進・研究部次長、厚労省農山村雇用対策室長などを経て、2016年3月から現職。東京都出身。55歳。

 全国で3例目 石川労働局が連携協定を結んだ石川県内の金融機関は北国銀行、金沢信金、北陸信金、金沢中央信組、石川県医師信組(以上金沢市)、のと共栄信金(七尾市)、鶴来信金(白山市)、興能信金(能登町)。労働局が地元金融機関全てと働き方改革で連携する協定は全国3例目。

 

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