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狙いを聞く

創剤力高め差別化を キョーリンリメディオ 大野田道郎社長

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高岡に新研究所設立

 キョーリン製薬ホールディングス(HD、東京)の後発医薬品事業を手掛けるキョーリンリメディオ(金沢市)は七月、富山県高岡市に新しい研究所を設立した。大野田道郎社長は念願の施設に「創剤力を強くして、付加価値を付けた製剤を増やしたい」と意気込む。 (嶋村光希子)

 −新研究所の概要は。

 富山県南砺市の井波工場にあった製剤開発センターを移管し、名称を変更した。創剤力を高めたいとの思いから「高岡創剤研究所」と名付けた。内部はコンパクトなつくりで動線を重視。異なる薬の成分が混ざらないようにした。共用スペースを設けて社員同士が交流し、リラックスできるようにも配慮した。

 二倍の製品数を開発できるようになり、将来的には拡張も可能。治験薬の製造ラインが二本あり、市場規模の大きい固形剤のほか、液剤を研究開発する。開発品目を増やすことで、市場性はなくても世の中に必要なものにも挑戦していきたい。後発薬メーカーとして差別化にもつながる。

 −自社の強みは。

 新薬系のグループ会社として製造で昔からのノウハウがあり、技術的にも一定レベルを確保できる。研究開発と生産、営業、企画、全ての部門を自社で一貫して持ち合わせている。売りたいものを創ることができ、コスト面でもメリットがある。

 −業界の動向と自社の課題は。

 国の後発薬の促進策を追い風に各社が生産体制を強化し、ほぼ足りてきた状態。薬価改定の問題は不透明感が大きい。現在、後発薬を一品目でも扱うのは二百社ほど。このまま薬価が下がれば存続が難しい企業も出てくるといわれている。薬価が下がっていく方向性の中、どう利益を確保し、安定供給するためにいかに投資するかが課題。当社は他社と差別化するためのハード面は整えた。あとは人材を含めたソフト面でどう知恵を出すか。業界での生き残りをかけて、ここ何年かが勝負だ。

 「創剤、製造、販売、企画、人財」の五つの基本の力を一つ一つ見直し、それぞれ一人前にして体幹の強い会社にする。病院に行かずに軽い病気やけがを自ら薬を使って治す「セルフメディケーション」も進む中、「攻めの製品」を打ち出す。将来的にはアジアを中心に海外にも展開したい。

 おおのた・みちろう 筑波大大学院理工学研究科修士課程修了。1985年杏林製薬入社。2006年同社生産技術部長、08年同社岡谷工場長、10年同社生産部長、14年キョーリンリメディオ常務を経て15年4月から現職。趣味はソフトボール。57歳。長野県出身。

会社メモ

 第2次世界大戦中の1945年、参天堂製薬から工場を移転して富山県井波町(現南砺市)に開設。47年に参天堂製薬から独立し、三田製薬設立などを経て、東洋ファルマーに社名を変更。本社の金沢市移転などを経て、2005年に杏林製薬と資本提携。06年にキョーリン製薬HDの完全子会社に移行し、現在の社名になった。17年3月期の売上高は243億円。従業員数は約350人。

 

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