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狙いを聞く

子どもにもアピール 佃食品 佃一志社長

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食生活に合う商品を

 四十二年間社長を務めた先代の後継として六月に三代目トップに就いた佃食品(金沢市)の佃一志社長は、二〇二一年度(二二年四月期)までに売上高を現在から五億円増の約二十億円に伸ばす目標を掲げた。時代とともに食生活が変化し、食品業界に新たな需要獲得策が求められている中、「今までつくだ煮に見向きもしなかった人に目を向けてもらう商品作りが大事」と意欲を見せる。 (織田龍穂)

 −能登牛を使ったつくだ煮など新商品開発に取り組むようだが。

 現状の顧客はどうしても年齢層が高く、若い世代はつくだ煮を食べる機会が減っていると感じている。子どもやその親世代にきちんとアピールできる商品が必要。商品自体には自信があるので「つくだ煮イコールご飯」といった固定概念を崩し、パンに合うつくだ煮など今の食生活に合った商品も提案できたらいい。

 子どもに商品に親しんでもらうイベントも積極展開したい。現在はくるみ煮をもなかの皮で包む「加賀の白峰」を自分で作って体験することなど年に複数回開いていて、子どもは楽しそうに参加している。今は商品を買うだけならインターネットで済む時代。実際に店に来たら「ものプラスアルファ」で思い出に残るようなことが大事。それが大人になっても思い出して食べてもらうきっかけになるかもしれない。

 −北陸新幹線の開業効果はどうか。

 石川県内の直販部門では金沢市東山のひがし茶屋街とJR金沢駅構内の金沢百番街の店舗で大きな影響があった。一年前に比べると落ち着いてきているが、開業前年に比べれば増えている。店への人の入りも全く違う。

 −技術の伝承は大事だ。

 現在、工場長は六十歳を超え、職人も嘱託がいるなど高齢化は進んでいる。一方で、三十代の若いスタッフがここ二、三年間で入ったので伝承を進めている段階。つくだ煮製造は全て人の手でやる。調味料を入れるタイミングや火を止めて釜から上げるタイミングも職人次第。作業が一秒違うだけで味が変わってしまう。商品の種類が多いので、すぐに覚えられることではない。きちんと極めなければならない。

 −家業を継いだが。

 子どものころは店舗の上の階に住んでいて、つくだ煮は好きだったが、進路としては特に考えていなかった。高校生になるにつれて将来のことを真剣に考えるようになった。創業当時から「自分の子どもに安心して食べさせられる商品」にこだわって食品作りを続けてきた会社の姿勢に引かれて継ぎたいと思うようになった。

 つくだ・ひとし 金沢大卒業後、佃食品入社。2013年から代表取締役専務。今年6月に社長に就任した。前社長の佃一成(いちなり)代表取締役会長の長男。座右の銘は「初志貫徹」。趣味はゴルフ。最近は4歳の長男、2歳の長女と遊ぶことを大事にしている。協同組合加賀能登のれん会副理事長。金沢市出身。34歳。

会社メモ

 1946(昭和21)年に創業し、小魚やクルミなどを使ったつくだ煮のほか、レトルトカレーや加賀野菜を使ったスイーツなども手掛ける。関東などのつくだ煮と違い、飴(あめ)を使って炊くため、甘めのまろやかな味わいで、食事だけでなくお茶と一緒に食べられるのが特徴。従業員はパート含め約130人。1日のつくだ煮の生産量は約2400キロ。2017年4月期の売上高は15億3000万円。

 

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