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狙いを聞く

東京五輪へ商品開発 石川県繊維協会 大宮睦夫会長

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 国内の衣料販売が低迷する中で海外製の衣料品が多く出回り、厳しい状況が続く北陸の繊維産地。五月に八年ぶりにトップが交代した石川県繊維協会の大宮睦夫会長(ムツミテキスタイル=同県小松市=会長)は、付加価値のある製品づくりや従事する人材の確保を目指し「魅力向上に取り組みたい」と話す。

  (嶋村光希子)

非衣料の販路拡大を

 −繊維業界の現状と、会長就任の抱負を。

 石川はポリエステルやナイロンといった合成繊維織物の国内有数の産地。ただ、最近はあいさつ代わりに「不況ですね。情勢が良くないですね」と言うのが業界内の口癖になっている。百貨店を中心とした個人消費は低迷し、衣料は芳しくない。インターネットの発達で流通網も変化している。一方で非衣料は健闘している。農業資材、カーテンやカーシートなどの産業資材、建築資材向けの炭素繊維など、さまざまな用途がある。こうした幅広い分野への販路拡大に努めたい。

 −石川の繊維業界の強みと製品の魅力は何か。

 素材メーカーとの取り組みが盛んで、相手先ブランドによる生産(OEM)だけにとどまらず自販力も強い。欧米や中東への輸出も多い。北陸の産地で織りから染めまでの加工を一貫してできるため、コスト競争力を高められる。資材向けのウエートが高いのも特徴だ。製品は差別化した素材が多く、高付加価値品の扱い量も多い。

 −繊維業の従事者は減っている。人材をどのように確保すればいいか。

 繊維業のイメージアップに努め、優秀な人材が入ってくれるような環境づくりが必要。繊維は夢のある産業。素材や技術、用途は日々進化し、ポテンシャル(可能性、潜在力)のある職業だとアピールしたい。従事する人たちについては、今自分たちが作っている素材が最終的に何になるのかをイメージして仕事をすれば、きっと楽しくなる。

 −業界再編は進むのか。

 石川県中能登町の丸井織物が東証二部上場の金沢市の倉庫精練を子会社にしたことは業界にインパクトを与えた。業界全体が先細りとなる中、コスト競争力を高めるために、今後も大手ではそういった可能性はあるかもしれない。中小でも設備はあるのに後継者がいない場合に吸収されるケースがあるかもしれない。設備の老朽化に悩む経営者も少なくない。協会としてはそういった構造的な問題で力になるべきだ。

 −業界の今後の展望はどうか。

 市場のニーズをいかにつかんで商品開発し、ビジネスにつなげるか。二〇二〇年の東京五輪を控え、産地やメーカーは高機能繊維を使った製品を一生懸命開発しており、取り組みが広がればいい。

 おおみや・むつお 1941年生まれ。旧小松実業高卒。75年からムツミテキスタイル社長、2011年から同社会長を務める。日本ニット工業組合連合会理事のほか、石川県ニット工業組合理事長、繊維リソースいしかわ取締役も務める。趣味はゴルフ。座右の銘は「何ごともご縁から」との思いから「縁」。石川県能美市出身。76歳。

メモ

 石川県繊維協会 1940年10月設立。13の関連団体でつくる。石川県出資の第三セクター「繊維リソースいしかわ」と連携して商品や技術開発、デザイン開発、販路開拓、人材育成などに取り組む。事務局は金沢市鞍月の県地場産業振興センター新館内にある。

 

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