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狙いを聞く

ロシアに桜の名所を 富山ウラジオストク会 矢野茂会長

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 富山ウラジオストク会は五月、ロシア・極東のウラジオストク市へ三年ぶりに訪問団を派遣し、極東連邦大のキャンパスで二回目の桜の苗木を植樹した。来年に設立三十年目を迎える記念事業として企画した。訪問団を率いた矢野茂会長は「植樹を続けて桜の名所ができれば」と夢を語る。 (坂本正範)

訪ロ団派遣、植樹活動

 −息の長い活動を続けている。

 現地パートナーのウラジオストク・トヤマ会と相互に何回も訪問団を派遣するなど経済と文化面を中心に活動してきた。経済面で言えば富山県とロシアの貿易は二〇〇〇年代に入って伸び、北洋材の輸入や中古車の輸出は多くなったが、〇八年のリーマン・ショックでがくんと落ちた。北洋材は関税の問題もあって取引が少なくなった。経済活動はほそぼそながらつないできた。会員企業がそれぞれの立場でやっている。会としては文化面の交流をメインに人と人の往来、人的つながりで貢献してきた。〇一年に国立経済サービス大の敷地に造った友好庭園は現在、新婚夫婦が記念写真を撮る名所になっている。会員が多ければ活動の幅も広がる。会の趣旨に賛同していただければ、ぜひ会員になってほしい。

 −会長は今回、初めて訪問した。感想は。

 一二年にアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれ、インフラ整備がすごく進んだ。空港やAPECの会場になった極東連邦大新キャンパスなどが非常に立派なのが印象的だった。開発は進んだが、極東連邦大の庭園に樹木がなく「桜があればきれいだよな」と、三年前に苗木を百五十本植えた。敷地が非常に広大なので、それでもまだ寂しい。

 二回目の今回は富山県の協力もあって百八十本を植えた。会員の賛同と機会があればもっと増やしたい。例えば富山市の桜の名所の松川べりは約五百本ある。松川ぐらいの本数になれば。十年や二十年かかるかもしれないが、名所になって地元の人に愛されれば、これに勝るものはない。ロシア側が受け入れてくれれば植えたい。

 −ロシア極東との今後の交流は。

 ウラジオストクと富山は日本海を挟んで近い。国と国との関係になると北方領土の問題など難しいが、地理的に近いので経済や文化面の交流は続けないといけない。着実に、地道につないでいくことに意味があるのではないか。「大切な隣人」としての関係を地道に続けるのが一番いい。

 ウラジオストクと富山の航空直行便がなくなったのは残念。非常に行きづらくなった。今回は羽田空港からリムジンバスで成田空港へ行き、定期便で向かった。これでは一日かかる。需要が必要だが、定期便が復活してくれればいい。

 やの・しげる 2015年6月から富山ウラジオストク会の5代目会長を務める。神戸大卒業後、北陸電力入社。執行役員経営企画部長、常務などを経て15年6月から代表取締役副社長を務める。福井市出身。59歳。

メモ

 1989年8月に富山県内の経済団体や企業で設立。経済、文化、スポーツなどを通じて交流と親睦を図り、極東アジアの安定と平和に寄与するのが目的。ウラジオストク・トヤマ会との交流がメイン。2000年にウラジオストク市内の陸橋を「富山−沿海地方・友好の橋」と命名して記念プレートを設置し、01年にウラジオストク国立経済サービス大の敷地内に「富山・ウラジオストク友好庭園(森本庭園)」を造成した。現在の会員は44の法人・個人。事務局は富山商工会議所。

 

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