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狙いを聞く

地方でも夢かなう 女性起業家交流会 inHOKURIKU 萩原扶未子代表

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自宅「プチ起業」の勧め 

 女性管理職比率の低い北陸で女性の起業が増えている。日本政策金融公庫が昨年度に北陸で融資した女性の創業向け資金は大幅に増加し、七尾商工会議所など官民が創業を支援する取り組みでは女性が四割を占めた。女性起業家交流会inHOKURIKU(金沢市)の萩原扶未子代表は「まだまだ増える」と期待する。(石井真暁)

 −北陸で増える女性の起業をどう思うか。

 北陸は両親が近くに住む人が多く、持ち家率や車の所有率も高い。女性の社会進出に適しているが、ビジネスで成功しなくてもやっていける地域ともいえ、管理職や経営者、議員比率は低い。母数が少ないので伸び率は高いが、まだまだ伸びる余地はある。自宅でも会社を起こせる「プチ起業」を勧めている。

 −プチ起業の良さは。

 IT化や物流の進化で地方にいてもプライドを満たし、夢をかなえる仕事ができる。ただし、女性は事業を右肩上がりに伸ばすことでなく、家庭との両立や子どもと過ごす時間を重視する。男性は事業を大きく育てようとする傾向にあるが、女性はワークライフバランス(仕事と生活の調和)を重んじ、小さく生んで小さく生きたいと考えている。従来の女性支援はそんな男性目線にあるのでうまくいかなかった。「創業」というと経験も信用もある人が事務所を構え、多額の資金を借りるスタイルが想定されていた。必要ないのにわけが分からず、勧められるまま借金する人もいた。トラブルにあって挫折するか、言われるままにしてひどい目に遭うかのどちらかだった。

 −女性を対象にした起業塾を運営している。どんな運営をしているのか。

 金融機関や議員、マスコミに見学してもらい、起業家を育ててもらっている。金融の専門用語では伝わらないことなど、女性の現状と課題を見てもらってきた。見学者と人間関係が築ければ「私にもできる」と自信につながっている。

 −女性活躍推進法施行から一年たったが、どんな課題があるか。

 ステレオタイプ(先入観、固定観念)が先行し、応援のつもりが可能性をつぶしている。男性にとって「できる女性」は男性の価値観で働く「オヤジ」的な女性。経営者らはそう育てようと思っているが、女性の多くはワークライフバランスがない生活をしたくない。法施行で主任や課長クラスは増えても、部長などより責任ある立場の女性が増えないのはそのせい。

 権利は平等だが、男女の違いを理解し、区別するのがベスト。女性はダイバーシティ(多様性)がとてもある。結婚、出産など節目ごとに考え方も体力も服装も変わる。ジェンダー(性の区別)と多様性を理解し、柔軟な対応ができる組織は伸びていける。個々の女性も多様で違いがあることにも理解が必要だ。

 はぎはら・ふみこ 人材育成のジーアンドエス(金沢市)社長。IT企業勤務を経て1986年に同社を設立。女性起業塾運営のほか、管理職育成やキャリアデザインなどのコンサルティング、研修、調査などに取り組む。2006年に女性起業家交流会inHOKURIKUを発足し、代表就任。40歳で南山大で経営学修士を取得。金沢大大学院でジェンダーに基づいた地域経済活性化などを研究し、3月に博士後期課程を単位満了。金沢商工会議所女性会理事などを務める。趣味は猫と遊ぶこと。金沢市出身。56歳。

メモ

 北陸3県で女性の起業を支援する。会計や研修など5委員会があり、勉強会や交流会、イベントのほか、調査による施策提言なども行う。メールの受信登録者は約600人。スタッフは約30人。会費無料。09年度にいしかわ女性基金の「いしかわ女性のチャレンジ賞」受賞。

 

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