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狙いを聞く

組織戦へサイト開設 北陸税理士会 平野豊会長

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 北陸税理士会は四月、中小企業の事業承継を支援する会員専用のサイト「担い手探しナビ」を立ち上げた。後継者不足などで国内の中小零細企業は廃業が加速度的に進んでいるからだ。全国の税理士会で初めての試みは注目を集めている。平野豊会長(日本税理士会連合会副会長)は「これまでの個人戦から組織戦でやる」と意欲を見せる。(坂本正範)

中小の事業承継支援

 −中小企業の現状をどうみているのか。

 ここ十数年で法人や個人の中小事業者数は全国で四百八十万から三百八十万に減った。一方で倒産は減少気味で自主廃業が倒産より多い時代になった。二十年ほど前は事業者の多くは四十代、今は六十代後半。五年後を展望したときに事業が継続しているのかどうか。半数以上が後継者を決めていないという統計もあり、極めて深刻な状況ととらえている。

 地方創生の中心である地方経済を担うのは中小企業。中小が減少すれば地方経済は厳しい状況になる。われわれの経営基盤も大変厳しい状況が目の前に迫っている。喫緊の課題として取り組みたい。

 −事業承継の重要性が指摘されている。

 今後五年ぐらいで手を打たないと遅きに失するというのが税理士会、金融機関、自治体の共通認識になりつつある。私たちは事業承継が必要と肌感覚で理解している。経営者から相談を受けることがあるし、私らからも企業経営者に「将来は従業員にまかせるのですか」「親戚に誰かいるのですか」「M&A(合併・買収)を受けるのですか」と話す場合もある。

 全国にいる七万六千人の税理士の中には事業承継に非常に積極的な人と、「正しい税務申告をすれば終わり」という人がいて残念ながら温度差がある。これまでは個々の税理士の努力に依存してきたが、個人任せでは十分な対応はできない。「個人戦から組織戦」が合言葉。税理士会が組織として推進しないとこの課題は克服できない。組織戦としてサイトを立ち上げた。

 −サイトの概要は。

 事業を譲渡したい人と譲り受けたい人のマッチングの場を提供する。サイトに載せる情報は事業規模や売上高、社員数などで社名は載せない。サイトを見て興味を持った税理士同士が掲示板でやりとりする。税理士会は関与しない。

 −今後の計画は。

 中小企業庁は「できるだけ早く全国でサイトをつくってほしい」と要望している。私は日本税理士会連合会の中小企業支援担当の副会長として国や社会の信頼にこたえないといけない。全国の個々の税理士が一丸になれば大きなパワーになる。全国で三万件前後の廃業のうち一割は優秀な企業という統計がある。一割なら三千が優良企業。北陸経済は全国の2%とか3%とかいわれる。だから北陸三県で少なくとも年間六十件が当面の目標。ぜひ成功させたい。

 ひらの・ゆたか 同志社大経済学部卒。会計事務所勤務を経て1989年に税理士試験合格。90年に独立開業した。2012年に平野税理士法人を設立し、代表社員に就任。石川県寺井町(現能美市)出身。金沢市在住。63歳。

会社メモ

 北陸3県に事務所を持つ約1400人の税理士と約130人の税理士法人が会員。事務局は金沢市北安江。3県に15支部(富山4、石川5、福井6)がある。

 

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