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狙いを聞く

誰もが知る「定番」に ドリームファーム 鍋嶋慎一郎専務

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米粉麺 海外で手応え 

 日本のコメの産地が外国へ「おいしいコメ」を売り込む中、ドリームファーム(富山県入善町)は海外で人気の「日本のラーメン」に活路を見いだした。自社開発した米粉麺の輸出が香港などアジアで好調だ。鍋嶋慎一郎専務は「海外でのPRは体力的には大変だが、やればやっただけ反応があるのは面白い」と話す。(織田龍穂)

 −なぜラーメンが売れたのか。

 香港の人にとって日本のラーメンはブランド。日本の有名店も多数進出している。現地では気軽に食べに行くというより、高級料理を食べに行く感覚。そのラーメンを「家庭で簡単に食べられる」とアピールした。国内では醤油(しょうゆ)と味噌(みそ)と、うどんも売った。輸入業者の助言でとんこつも新たに作った。アドバイス通りで販売割合はとんこつ五割、醤油三割、うどん二割ぐらい。最近は味噌も売れ始めている。

 −もともと輸出向けではなかった。

 同じコメでも麺に加工したら四倍、五倍の値段で売れる。米価が下がるのは分かっていたから、何か加工品を作ろうという考えがあった。国内でも米粉麺は地元のスーパーやインターネットで販売してコンスタントに売れている。現在は海外八割、国内二割ぐらいの販売状況。日本では店頭に並ぶカップラーメンはとても動きが速く、新製品がどんどん登場する。一方、香港はスーパーの棚に並ぶ商品がほとんど変わらない。一度定番化すれば息は長い。

 −今後の展開は。コメを輸出する可能性はないのか。

 将来は誰もが知っているような麺にしたい。香港では日本の有名企業のインスタント麺が飲食店でも提供されるぐらい有名なので、そんな形になれたらいい。そのための次のステップは自社製麺だと思っている。現在は県外で委託製造している。

 香港からいただく「コメが欲しい」という声の多くは、日本のコメを安く売りたいということ。今、店頭に並んでいる日本のコメは一キロが千円、二千円と高く、なかなか売れない。いくら現地業者の買い取りでも売り場に行くたびに売れていないコメを見るのは心苦しい。とはいえあまり安売りするのもどうか。やりたい思いと現状の厳しさで葛藤がある。日本で流行しているキャラクターを入れたパッケージなど袋を工夫したコメの輸出も検討している。日本ではやった商品は香港でも流行する可能性が高いから。

 なべしま・しんいちろう 東京農業大を卒業後、実家の農業を手伝う。ドリームファーム設立に携わり、14年から現職。元JAみな穂(入善町)の青壮年部委員長。座右の銘は「無理は禁物」。自らに壁をつくらないよう「無理」という言葉を使わない、という意味。趣味はスキー、オートバイ。同町出身、41歳。

会社メモ

 もともと農業を営んでいたが、近隣で農業を辞める人が増えて農地が集積してきたことから2002年に法人化。15年は水稲71ヘクタール、大豆21ヘクタール、キャベツやチューリップ切り花など園芸作物2.3ヘクタールを生産し、年商は1億5000万円。チューリップの切り花は年間20万本で富山県で2番目の生産量。自社直売所など直売の比率を高めている。従業員は16人。

 

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