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狙いを聞く

地下道路に公共車を 佃食品 佃一成社長

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 金沢市中心部に路面電車など地上走行の新交通システムを導入しようという動きに独自の構想で「待った」をかけるのが佃食品(金沢市)の佃一成(いちなり)社長。考えているのは地上でなく公共交通の「地下道路」だ。石川県食品協会会長や金沢商工会議所常議員を務める地元の有力経済人は「損得でない。社会資本として必要」と語る。

金沢中心部の新交通

  (坂本正範)

 −市の有識者検討委員会は次世代型路面電車(LRT)やバス高速輸送が適切と提言した。交通システムをどう考えるか。

 金沢は都心軸の創生が必要。北陸新幹線開業で今がまちづくりのチャンス。かつて市電があったが、モータリゼーションの時代になって昭和四十年代に廃線になった。LRTは市電の復活。市電を造った当時の苦労を考えずに廃線にして、またやろうとしている。香林坊の辺りは今でも渋滞している。LRTにしたら車が動かない。現実には不可能。問題ありだ。

 −地下道路はどんな構想か。

 金沢駅前から武蔵ケ辻、香林坊、片町、野町まで地下道路を掘って公共の車を走らせる。連結バスのようなイメージ。私は「タイヤトレーン」と呼んでいる。道路に線路を敷いて(市郊外を走る)北陸鉄道が乗り入れれば地下鉄として鉄道の再生と有効活用にもなる。車両は二両か三両を連結し、ガソリンでなく水素を燃料とする電池を使う。電気自動車でもいい。欧州のまねや富山市の後追いでなく金沢独特の車両がいい。ガラス張りにするとか世界にないような車両を開発する。金沢港から金沢駅までは地上を走ればいい。私は三十年ほど前からミニ地下鉄、十五年ほど前から地下道路を主張している。

 −地面を掘る案は必ず建設費の問題が指摘される。

 地方創生協力や特区など国の資金を使えばどうか。国にトンネルを掘ってもらい、北陸鉄道が線路を敷く。「誰が乗るのか」「採算は合うか」と反対意見は必ずあるが、そういうレベルの話ではない。学校、図書館、橋など本当に大事な社会資本は損得でなく、街に必要だからつくる。地下道路もそうだ。「地下」が世間で盛り上がらないのは資金の問題があるためだろう。経済人は知恵を絞って赤字を減らす努力をすればいい。赤字を出さない方法をいろいろ考えられるはず。

 −どんなメリット、効果が期待できるか。

 市内外にある大学をつなげば学生が片町、香林坊に集まりやすい。そうすれば中心商店街の活性化にもなる。このままでは金沢の商店街は沈没すると心配している。新システムへの見学や観光客も増えるだろう。金沢港周辺に車両を造る企業を誘致すれば輸出産業が生まれるかもしれない。金沢は地方都市のモデルになれる。

 つくだ・いちなり 金沢大法文学部卒業後、佃佐吉商店入社。1965年に佃食品専務、74年4月から現職。現在、協同組合加賀能登のれん会名誉会長、北陸地域米粉利用推進連絡協議会会長などを務める。金沢市出身。74歳。

 会社メモ 

 佃煮(つくだに)・総菜製造販売業。1946年創業、65年に設立。本社・工場は金沢市大場町。従業員約130人。北陸、関東、関西、名古屋、新潟に計19店舗を展開。関連会社に「壺屋」「金沢錦」がある。

 

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