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狙いを聞く

技術力で途上国支援 明和工業 北野滋社長

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ごみを炭化し肥料に

 環境装置メーカーの明和工業(金沢市)は、アフリカなど途上国を中心とした海外展開に本腰を入れている。昨年十一月に「海外事業部」を新設した。ごみや排せつ物を炭化させて農作物がよく育つ肥料に変える−。北野滋社長は自社の独自技術で、途上国が抱える社会問題の解決につなげたいと考えている。 (嶋村光希子)

 −炭化技術の仕組みと、出来た肥料はどんなものか。

 装置に生ごみや排せつ物、下水汚泥を入れて、五〇〇〜九〇〇度で加熱して炭化する。出来た炭は窒素やリンなど栄養の豊富な肥料になる。会社の裏にある畑ではこの肥料を使って野菜の栽培を試している。白菜は六キロと通常の五〜六倍に、大根は大人の足ほどの太さに大きくなった。食べても大味というわけではなく、甘くて濃い味だ。

 −途上国の現状と、装置のニーズはどうか。

 実際にアフリカに足を運んで確認したところ、急激な人口増加で大量の排せつ物やごみを処理しきれず、街にあふれて環境汚染が深刻。赤ちゃんや子どもが病気になるなど衛生面でも良くない。これまで高額で輸入していた化学肥料を、ごみを炭化した肥料に置き換えられれば。

 湖では水草が大量発生している。水中に光が通らず魚が育たなくなり、地元の漁業は壊滅状態。水草の炭化処理もできる。

 −海外参入のきっかけは。

 これまでも中国や韓国の企業に納入していたが、昨年ごろから特に途上国に力を入れている。昨年八月にアフリカ・ケニアで開かれたアフリカ開発会議にブースを出展し、装置をアフリカ各国の政府首脳や研究者らに披露した。日本政府によるアフリカの若者のための産業人材育成の方針の一環で、昨年秋にタンザニアやマダガスカルの研究者十五人をインターンとして受け入れた。いずれも技術にかなり興味を持ってもらえ、現地でのニーズはかなり高いとみた。ケニアで働いていた金沢出身の人材を採用できたことも後押しした。

 −意気込みを。

 途上国の喫緊の課題をハコモノではなく、人材と技術で支援して解決したい。廃棄物を宝に変える、環境ビジネスが現地の地域活性化にもつながれば。

 きたの・しげる 金沢大工学部を卒業。極東石油工業に入社後、1974年に前身の「明和鉄工」に入社。常務、専務を経て96年から現職。石川県フィンランド友好協会長を務める。趣味は「仕事と、日本酒を飲むこと」。石川県能美市出身、66歳。

会社メモ

 1964年に創業。71年に「明和鉄工」とし、集じん装置などを手がける。87年に「明和工業」に社名を変更。現在は、農業施設向けの公害対策装置や、環境・エネルギーリサイクル装置の設計、製造、販売を行う。生物由来資源(バイオマス)からの燃料でエンジン発電するシステムや、果汁などを高品質のまま濃縮できる「界面前進凍結濃縮」などの技術もある。従業員52人。

 

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