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狙いを聞く

融資で地域に元気注入 鶴来信金 中西啓一理事長

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マイナス金利下 就任半年

 鶴来信用金庫(石川県白山市)の中西啓一理事長は、日銀のマイナス金利政策で収益環境が厳しい中で就任して半年を迎える。事態の打開は「貸出金を増やすことに尽きる」とし、そのために「顧客の元に足しげく通い、事業を理解した上で融資提案する努力は昔も今も変わらない」と強調。地域貢献を優先する信金の原点回帰の重要性も説く。(網信明)

 −就任後を振り返って思うことは。

 (前任の)ナンバー2(常務理事)との違い、責任の重さを痛感している。感慨に浸る間もなく、昨年二月に始まったマイナス金利政策の影響と向き合った。貸出金利が低下傾向になる中で信用金庫はもちろん、メガバンクや地銀、信用組合といった金融機関が入り乱れての金利競争に拍車がかかった。信用金庫は相互信頼と互恵の精神が基本理念。厳しいからこそ原点に立ち返る必要性を再認識した。

 −厳しい収益環境の打開策は。

 国債など有価証券の利回りが低下する中で融資を増強するしかない。融資先の開拓の余地はまだまだ残されている。歩き回って資金需要を探す地道な営業に徹する。内部的には経費節減も不十分。電算機器の適正配置や郵便・通信費の見直し、紙の使用量の削減などまだまだ見直す点は多い。

 −収益確保へ新たに取り組むことはあるか。

 事業者向けの無担保、無保証の融資の枠組みを拡充し、資金需要を掘り起こす。担保や財務内容に過度に依存せず、事業者の将来性に重点を置いて融資することに力を入れる。関連商品の取り扱いを三月に始める。営業力強化を目的に入庫四年目以降の若手職員を対象に戦力アップセミナーも始めた。部長や支店長が講師となり、すぐに役立つ営業や融資のテクニックを伝授し、好評だ。

 −取引先の景気の現状をどう見る。

 当金庫の営業区域の加賀地方は北陸新幹線金沢開業に加え、敦賀延伸という明るい材料がある。白山市鶴来地域や能美市などでは地域経済を活気づけようと頑張る後継者は少なくない。一方、少子高齢化で後継者に悩む個人事業主が増えてもいる。実情に合わせた金融サービスで地域創生の手伝いをしたい。

 −鶴来信金の強みをどう生かす。

 発足して約九十年。先輩が築いてきた顧客との強固な信頼関係や顧客基盤が最大の強み。それにあぐらをかいてはいけない。引き続き、取引先との対話や支援を粘り強く続け、互いの理解を深めることが重要で、今の時代も人と人のつながりの大切さは変わらず、おろそかにしてはいけない。

 なかにし・けいいち 金沢工業大卒業後、1975年に入庫。白峰、明光、寺井各支店長を経て、常勤理事や常務理事のときは融資審査を担う審査部長も長年兼任した。前理事長が体調不良で退任後、昨年9月に就任した。趣味は農作業。「一緒にコースを回る相手の人間性が垣間見えて興味深い」とゴルフも好き。石川県白山市出身。64歳。

会社メモ

 1926年に有限責任鶴来信用組合として発足。52年に鶴来信用金庫に改組した。本店営業部は石川県白山市、本部は金沢市に置く。北部のかほく市や河北郡から南部の加賀地方を営業区域とし、店舗数は17。2016年3月期単体決算の純利益は3000万円。3月期末の預金残高は約1195億円、貸出金残高は約598億円。

 

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