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狙いを聞く

VRで快適部屋探し 全景 荒井芳仁社長

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物件内覧 新システム 

 ITベンチャーの全景(ぜんけい)(金沢市)は仮想現実(バーチャルリアリティー=VR)技術を使った不動産物件の内覧システムを初めて開発し、全国で百社以上に販売した。荒井芳仁社長は「部屋を探したい人と不動産業者の双方に役立つ」とメリットを強調する。「VR元年」と呼ばれたのは昨年。人々の暮らしを便利にするVRビジネスは好調が続いている。 (嶋村光希子)

 −システムはどんな仕組みなのか。

 パソコン上で部屋の画像を前後左右の周囲三百六十度、細部にわたって確認できる。不動産業者は画像だけでなく間取り図や価格、周辺環境などの情報を自社のホームページに組み込める。専用カメラを使った撮影のほか、ページの制作や管理は誰にでも簡単にできるのが特徴。

 −開発のきっかけは。

 サラリーマン時代から転勤などで二年以上同じ家に住んだことがなく、引っ越しが多かった。不動産業者で物件を探すが、遠方から何度も足を運び、多数の物件を見て回るのが大変だった。帰宅してからも「あそこに照明があったかな」と確認したいことが出て困った。自宅や外出先でいつでもどこでも、インターネットで確認できるシステムがあれば便利だと感じた。

 −反響はどうか。

 部屋を探す人からは何度も足を運ばずに選べて「効率が良い」と好評。不動産業者もこれまで営業担当者が同行して長時間かけて何軒も回っていたのを、少ない軒数に絞ることができ、「効率が良い」と言ってくれる。来店数は減っても売り上げは変わらないそうだ。空いた時間で改修した中古物件の販売など新事業に参入もでき、生産性の向上につながる。

 −経済産業省の支援事業に採択され、システムを導入したい業者が補助金を受けられるようになった。

 同様のVRのページを独自に作ると、制作会社への依頼で一物件当たり数十万円かかる。高い費用が課題だった。国の支援事業になったことで新規導入コストの三分の二、最大百万円の補助が受けられる。新入学や転勤シーズンを前に、補助金を活用してさらに導入が進めば。VRの技術としては今後、飲食店向けや観光産業などへの活用にも期待したい。

 あらい・よしひと 大学を卒業後、東京の総合電機商社に勤務。1995年に金沢市にUターンし、前身の「ディー・リンク」を創業した。趣味は茶道。金沢市出身。55歳。

会社メモ

 1995年に「ディー・リンク」として創業。コンピューターで動画や静止画、音声などを組み合わせたコンテンツの受託制作を手がけていた。2000年に簡便にVR空間を構築する方法を発明したことをきっかけに、受託制作から自社制作に重点を置く。VR事業の進展に伴い、10年に会社名を「全景」に変更した。VRを中心としたサービスの研究開発が業務。従業員は13人。

 

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