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コラム 風紋

広重と時代小説

 「小雨が靄(もや)のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶ(、、)が泣きながら渡っていた」。石川県立美術館で始まった「広重展」の「名所江戸百景『大はしあたけの夕立』」を見て、山本周五郎の小説「さぶ」の書き出しを思いだした。藤沢周平の小説「溟(くら)い海」には広重の「東海道五拾(じゅう)三次之内 蒲原」の雪景色に嫉妬する北斎が描かれるし、その後の「旅の誘い」は広重本人が主人公。晩年には「名所江戸百景より」と題した短編の連作も書いた。市井の人生を哀感をもって書いた作家の想像力をかきたてた広重の浮世絵。小説とともに味わうのもいい。 (文化担当・松岡等)

 

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