トップ > 北陸中日新聞から > コラム 風紋 > 記事

ここから本文

コラム 風紋

ブドウの味

 自宅近くに小さなブドウ園があって、この時期、その直販の味が子どものころから楽しみだった。今年も一度味わったが、暑い夏のほうが甘みが強い気がする。第二次大戦中、ブドウはぜいたく品だった。終戦直前の一九四五年八月十二日の新聞に「葡萄(ぶどう)は全部供出 電波兵器の酒石酸」とある。記事の書き出しは「今年も葡萄は一粒も食べられません−」。愛知県の話だが、同じ紙面には、供給法改正を受けて、野菜などは「まず身辺自耕」と、食料の自給自足を呼び掛ける記事であふれている。戦後七十二年の夏。ブドウの甘さは平和の味とかみ締めたい。 (文化担当・松岡等)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索