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北陸文化

【映画】あふれ出す音楽 見える 主演者すべてがろう者「LISTEN リッスン」

映画「LISTENリッスン」から

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27日、金沢21美で上映とトーク 

 全く無音ながら、耳の聞こえないろう者が手話や表情、全身の動きで「音楽」を表現するアート・ドキュメンタリー映画「LISTEN リッスン」の上映会とトークセッションが二十七日、金沢市の金沢21世紀美術館シアター21で開かれる。映像はろう文化の豊かさを実感させ、障害の有無を超えて音楽や言語、コミュニケーションの本質を考えさせる。

 ろう者とは日常生活で手話を使う聴覚障害者のこと。映画はともにろう者の牧原依里さんと舞踏家の雫境(DAKEI)さんが共同監督した。「オーケストラの音楽を指揮者や演奏者たちの身体の動きを通して視覚的に楽しんできた」という牧原さん。雫境さんは踊りを通して手話が「言語の領域を超え、それ自体で音楽を奏でられるのでは」と思いが芽生えていたという。

 出演者はすべてろう者である雫境さんや日本ろう者劇団のメンバー、音楽の好きな牧原さんの友人たち。手話を生かしたダンスのような体の表現。出演者の内側で音楽が鳴り、あふれ出すように見えてくる。

 上映は二十七日午前十時からと午後二時からの二回。それぞれの回で牧原さんのトークセッションがある。事前申込制、入場無料。予約は美術館ホームページのイベント案内からのWebからかFAX076(220)2806へ。問い合わせは21美交流課(電)076(220)2811かメールevent_k@kanazawa21.jp

     ◇

 リッスンの上映は、21美が「誰にとっても来館しやすい、楽しい美術館はどんな場所?」という課題を地域の人と共有し、美術館を訪れる機会の少なかった人たちに来館を促す試みの第一弾でもある。昨年四月に石川県で手話言語条例が施行されたこともあり、今回の上映につながった。

 上映での手話通訳や案内などの運営には、市聴力障害者福祉協会や県立ろう学校、手話サークルなどのほか、21美で映画上映イベントに関わってきた学生ら約二十人が参加する。障害の度合いが異なる人たちが訪れる際の受け付けや誘導を担う。

映画「ヴァンサンへの手紙」から((c)Kal●oFilms)

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ろう文化の豊かさ描く「ヴァンサンへの手紙」

26日から金沢・シネモンド

 フランスのろう者の世界を描いたドキュメンタリー映画「ヴァンサンへの手紙」(レティシア・カートン監督)も二十六日から二月一日まで、金沢市のシネモンドで上映される。映画は牧田さんが上映権を買い取り、クラウドファンディングで資金を募って配給した作品だ。

 ろう者の友人だったヴァンサンさんの自死をきっかけに、ろうコミュニティーやろう者の内面や生き様に迫ったドキュメンタリー。美しい手話と豊かなろう文化を描く。

 聴覚障害者の教育は国際的に、唇の動きで言葉を読み取り、訓練で発声する口話法が主流だった時代が続き、近年までろう者が表現しやすい手話を制限する学校も多かった。作品は手話を言語として使う、ろう者のありのままの姿を追う。

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 二十六日午後零時半からの上映後、牧原さんの舞台あいさつ(手話通訳付)がある。

 まきはら・えり 1986年生まれ。横浜市で育つ。両親ともろう者。会社勤めをしながら映画を制作。17年には東京ろう映画際をプロデュースし、今年5月に2回目を企画している。

●は、はアキュートアクセント付きE小文字

 

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