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北陸文化

【雨乃日珈琲店だより ソウル・弘大の街角から】(8) 涼をとるアイテム

「何拂拂」(2015年)。ああ、さやさやと吹く

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携帯扇風機 大ヒット

 観測史上最高の四〇度を記録。今年の夏の韓国は未体験の暑さとなった。

 今季、涼をとるアイテムとして大ヒットしたのが携帯扇風機だ。手鏡のような形状で、片手に持ち風を当てる。慣れない私は、これをずっと顔の位置に掲げることでよりエネルギーを奪われるのではと心配になるが、それでも弘大の街は携帯扇風機を手に道を歩く人が続出。昨年から女子を中心に人気だったとはいえ、今年は老若男女問わず携帯するようになり、自撮り棒以来の国民的ヒット商品となった。

 当店にも携帯扇風機を持参の方が多く訪れ、羽の回る異音が店内に響くように。ちなみに先日は、空港で搭乗手続きの職員が片手に扇風機を持ちながら作業しており、そのおおらかさにちょっと驚いた。

 そして以前から韓国の人に愛されてきた、涼をとるためのデザートといえば、かき氷(韓国語で「ピンス」)。細かく砕いた氷にシロップをかける日本のかき氷とは異なり、あんこを始めフルーツやマシュマロ、生クリーム、練乳など豪華トッピングが氷の上に載っている。ボリュームたっぷりで、数人でシェアして食べるのが基本。食べる前にスプーンでよくかき混ぜるのも韓国らしいところだ。

店先には色とりどりの携帯扇風機が並ぶ=ソウル市内で

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 八年前に店を始めたばかりの時は、夏には必ず「ピンスはないのか」と聞かれたものだ。日本式カフェをうたう店が弘大に増えはじめていた当時、シンプルな日本式かき氷に関心を持つ人が少なくなかった。しかし最近は、日本式かき氷を販売する店も増え、さらに韓国式ピンスがより多彩に。素材にこだわる伝統的なピンスや、カラフルに盛り付けられたインスタ映えするピンスを提供する専門店が増えたこともあり、当店でピンスを求める人はいなくなった。

 今年の夏の当店はなぜか、アイリッシュコーヒーを注文する人が比較的多かった。誰かがSNSで推薦してくれたおかげかもしれないが、ウイスキーの入った熱々のコーヒーを飲むのは、猛暑の今じゃなくても…とは思うのだ。

 文・清水博之(しみず・ひろゆき=ライター) 書・池多亜沙子(いけだ・あさこ=書家、金沢市出身)

 

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