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北陸文化

【美術】現代アメリカ 死生観は 金沢21美「死を民主化せよ」

「デスラボ」での研究の意義を説明するコロンビア大のカーラ・マリア・ロススタイン准教授=金沢21世紀美術館で

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 都市における死と埋葬の在り方を研究する米国コロンビア大の建築・都市保存大学院の機関「デスラボ」の活動を紹介する展覧会「死を民主化せよ」が、金沢市の金沢21世紀美術館で開催中だ。建築、宗教、地球環境工学、生物学などの専門家の学際的研究。二〇一四年に始まった未来の埋葬プロジェクト「星座の広場」の模型などを通し、グローバル化で多様な宗教、文化が流入、人口が集中する都市の埋葬はどうあるべきかなど、近未来の死と弔いを考える機会になりそう。

 「星座の広場」は、ニューヨークとブルックリンをつなぐマンハッタン橋の下に、数千のひつぎをおさめる広場をつくる構想。ひつぎの中に無数のバクテリアを住まわせて遺体を一年間かけて分解し、発生するメタンのエネルギーでひつぎを発光させる仕組み。光は遺体の分解とともに徐々に弱まり、光が消える一年後に、次の死者に場所が明け渡される。

 透明な建物に明滅する無数の光を見ることが、宗教を超えた新たな弔いの手法ともなっている。この構造を3Dプリンターでつくった建築模型で展示する。

 「デスラボ」は同大学院のカーラ・マリア・ロススタイン准教授が一三年に創設。展示ではその概要と目指す使命を映像で紹介する。ほかに「死の本質とは何か」についてアメリカで活躍する哲学、宗教、建築、環境、歴史保存などの専門家たちに行ったインタビュー映像もあり、「医学の発展は死の文化をどう変えるか」「無宗教の人々の葬儀はどうあるべきか」「インターネットやSNSによる死の共有の意味とは」など、現代のアメリカの死生観を知ることができる。来年三月二十四日まで。 (松岡等)

 

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