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北陸文化

【美術】独特の版画で本の世界紹介 タダジュンさん 金沢で作品展

本の世界に誘われるような作品が並ぶタダジュンさんの版画展=金沢市長町のGloiniで

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 版画の手法を使って書籍、雑誌の表紙や挿絵を手掛けるイラストレーター、版画家のタダジュンさんの作品展が金沢市長町の家具・雑貨店「Gloini(グロイニ)」で開かれている。初の作品集に収めた版画作品を中心に約五十点を展示する。怖さや狂気をはらみながら、ユーモアや温かみも感じるタダさん独特の風合いが、さまざまな本の世界を想像させてくれる。

 タダさんは一九七一年生まれ、東京都在住。金属板に直接、線描を刻印するドライポイントや紙版画などの技法を生かして立体感を感じさせる作風で活動の幅を広げている。

 作品集「Dear,THUMB BOOK PRESS」(SUNNY BOY BOOKS刊)は、架空の人物サムが装丁した選書シリーズを紹介すると仮想しながら、本の装丁のためのオリジナル版画を紹介した一冊。翻訳家の柴田元幸さん、詩人、フランス文学者の菅啓次郎さんらがサムと本についての文章を寄せ、架空の年譜までつける遊び心が詰まっている。取り上げた本はサンテグジュペリ「星の王子さま」、カフカ「変身」、ヘミングウエイ「老人と海」、ベケット「モロイ」、谷崎潤一郎「細雪」など二十冊。それらのオリジナル版画が並ぶほか、版画を表紙に配した特装本の販売もある。

 このほか「後藤明生コレクション」全五巻(国書刊行会)の装丁のための版画やポー全集を想定したオリジナル版画、柴田さんが責任編集する文芸雑誌「MONKEY」(スイッチ・パブリッシング)の挿絵なども展示され、本好きを飽きさせない。二十六日まで。二十五、二十六日にはタダさんが在廊する。 (松岡等)

 

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