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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 音楽つながりのドキュメンタリー

 五月からドキュメンタリー作品を多めに上映しているが、今月は音楽に関係するドキュメンタリー作品を集めてみた。

 ザ・バンドの解散コンサートのドキュメンタリー『ラスト・ワルツ』の上映に続いて、二十一日からは『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』という作品を上映する。デビッド・ボウイに巨匠と呼ばれ、イギー・ポップが最も信頼していると語り、YMO、忌野清志郎ら、時代を駆け抜けた天才たちを写して来た写真家・鋤田正義の一九六〇年代から今に至るまでを描いたドキュメンタリー作品だ。

 『私はあなたのニグロではない』は黒人文学を代表する作家ジェームズ・ボールドウィンの原作を映画化した作品。黒人音楽をルーツにもつロックやR&Bやヒップホップが人気を博す自由と正義の国アメリカの影を描く。三十歳台の若さで暗殺された公民権運動のリーダー、メドガー・エヴァース、マルコムX、キング牧師の生き様を追いながら、六〇年代の公民権運動から現在に至るまでのアメリカの人種差別と暗殺の歴史に迫り、トランプ政権下のアメリカでドキュメンタリーながら異例のヒットを記録した。

 さらに劇場初公開の『スパイナル・タップ』という偽ドキュメンタリーも上映する。かつて一世を風靡(ふうび)したロックバンド、スパイナル・タップが八二年に行った全米ツアーに完全密着と言う設定で、音楽ドキュメンタリーのツボを抑えた演出で描かれるコメディー。虚実入り交じるどころか全て偽物のフェイクドキュメンタリー作品だ。

 二十八日からは『フジコ・ヘミングの時間』。六十歳台後半でデビューし、八十歳を超えた今でも世界中で演奏活動を続ける人気ピアニスト、フジコ・ヘミングを二年にわたって撮影した作品だ。年間約六十本のコンサートをこなし、チケットは即完売。新たなオファーも絶えない。お気に入りのアンティークと猫たちに囲まれて暮らすパリの自宅で迎えるクリスマス、宮大工がリフォームした古民家で過ごす京都の休日、留学時代の思い出が宿るベルリン郊外への旅など、プライベートな姿を通して彼女の素顔を解き明かす。

 写真、黒人文化、偽ドキュメンタリー、クラシックと、いろいろと寄り道をしながら、音楽からつながる豊かな世界を楽しんでもらえればと思う。

 (シネモンド支配人・上野克)

 

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