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北陸文化

【美術】金銀箔 放つ素材の力 福田篤夫さん アラン・ジョンストンさん「陰翳礼讃」金沢で二人展

「陰翳礼讃」と題した福田篤夫さんとアラン・ジョンストンさんの展示=金沢市三社町の彗星倶楽部で

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 金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)や漆を素材にした作品を制作する群馬県渋川市の現代美術作家・福田篤夫さんと、英国・スコットランド出身のアラン・ジョンストンさんの二人展「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」が金沢市三社町の町家を使ったギャラリー「彗星倶楽部(すいせいくらぶ)」で開かれている(六月三日まで)。福田さんは富山県黒部市のシーラカンス毛利武士郎記念館でも箔を使った展示(同)も展開している。

庭を望む窓を使ったアラン・ジョンストンさんの作品

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 福田さんは一九九〇年代から金箔、銀箔を素材とした制作に取り組む。二人展は、スコットランドを拠点にするインディペンデント・キュレーターのメイボン尚子さんが企画。十五年にわたり親交のある福田さんとジョンストンさんが「陰翳礼讃」の著者・谷崎潤一郎が生きたのと同じ時代に建てられた日本家屋を使い、建築の特性や場所性にこだわった展示を展開する。

 福田さんは畳の部屋に金箔を敷き詰めたり、障子戸に金箔と銀箔を張り巡らしたり。銀箔にヨードを塗ることで金箔に見せる手法も。一方、幾何学的なドローイングで知られるジョンストンさんは壁にドローイングを配置。ガラス戸に半透明の膜をほどこして、室内から外部の庭や電灯がのぞけるようにした作品もあり、「場所の持つ文脈を意識した」と話す。

床に金色の冊子、壁には銀箔(ぎんぱく)を使った福田篤夫さんの展示=富山県黒部市のシーラカンス毛利武士郎記念館で

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金沢以外でも福田さん展示

 毛利武士郎記念館は、伝説的な彫刻家の毛利さんが晩年に移り住んだアトリエが展示スペース。福田さんは約四十平方メートルの床にA4サイズの金色の冊子を敷き詰め、三方の壁には、膠(にかわ)の上に銀箔を張り下部を曲げて曲面をほどこした作品を張り巡らせた。天井の水銀灯や窓からの外光によって表情を変える様は見応えがある。日本美術で絵画、漆芸、仏像、家具など装飾の素材とされる箔そのものを作品として提示し、特性の力を考えさせられる。

 福田さんはほかに金沢市安江金箔工芸館の「金と銀」展に、フランス車の部品に金箔をほどこした作品を展示。自ら三十七年間にわたり運営する群馬県渋川市の「コンセプトスペース」でジョンストンさんと別の二人展、同市のAISギャラリーで個展(いずれも二十六日まで)を開いている。 (松岡等)

 

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