トップ > 北陸中日新聞から > 北陸文化 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

北陸文化

【映画】「港町」きょうからシネモンドで公開 あす想田監督トーク

 「選挙」「精神」などのドキュメンタリー映画で知られる想田和弘監督の「港町」が二十六日から金沢市のシネモンドで上映される。掲げる「観察映画」第七弾。瀬戸内の漁港・牛窓の人々の日常が全編モノクロで描かれる。二十七日午後零時十分からの上映後、想田監督のトークがある。

 舞台は前作「牡蠣(かき)工場」と同じ岡山県瀬戸内市。リサーチ、テーマ設定、台本はなし、ナレーションやBGM音楽も排した観察映画の方法論を貫く。

 カメラがまず出会うのは耳があまりよく聞こえない老漁師ワイちゃん。一人で漁をする姿を淡々と追う。網から魚を一匹一匹はがしながら、撮影者の問いかけにぽつぽつと語る姿はヘミングウエイの名作「老人と海」を思わせる。

 やがてカメラは魚を追って市場へ、鮮魚店へ、行商先へ。先々で出会う人々と街並み、そしてネコたち…。映像は凪(な)いだ海と同様、この土地の穏やかな暮らしを浮き彫りにする。

 しかしそんな風景が、後半は不思議な雰囲気を持つクミさんの告白で一変する。港町に異界の扉が開くよう。ちゃぷん、ちゃぷん…。通奏低音のように響く波音が深い余韻を残す。 (松岡等)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索