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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 ドキュメンタリー月刊

 今月の中盤からドキュメンタリー映画を多めに組んでみた。ドキュメンタリー映画は大手の映画館ではあまり上映される機会が少ない。また、メッセージ性の強いドキュメンタリー作品は、ブルーレイディスクやプロジェクターを使用することでフィルム上映の時代より手軽に上映することが可能になったため、そのメッセージを伝えたいと考えている人々が自主上映する機会も増えてきた。その作品を大事に思っている人たちが、その作品を必要としている人々に届けようとする自主上映は、その映画のためにもいいことだと思っている。

 ドキュメンタリー作品で独立系の映画とテレビでのドキュメンタリーとの大きな違いはスポンサーが付いていないことだ。その結果、製作者がスポンサーや局の忖度(そんたく)、圧力にとらわれず作品をつくり、上映することができる。この場合、製作者を支えるのは映画を見てくれる観客の鑑賞料金などだ。

 ドキュメンタリー映画は報道とは違う。事実を客観的に描くのではなく、製作者の視点で物事の本質を映し出すのがドキュメンタリー作品だ。取材、記録した撮影素材の中から取捨選択した映像を編集でつなぎ合わせる。撮影時から演出されることもある。観客は作品を鑑賞して、製作者と向き合う。

 今回はさまざまなテーマを扱ったドキュメンタリー映画を集めてみた。十九日からは世界の名だたるバーを伝説のバーテンダーが訪ねる旅を描いた『シューマンズ バー ブック』に始まり、二十六日からはナレーションやテロップでの説明を排した観察映画という特徴的なスタイルで、岡山県瀬戸内市牛窓の港町の日常を描いた『港町』、eスポーツと呼ばれ、オリンピックに採用の動きもある対戦型コンピューターゲームのプロゲーマーに密着した『リビング ザ ゲーム』、六月に入ったら大阪・泉南アスベスト国賠訴訟の八年間を『ゆきゆきて、神軍』の原一男が記録した『ニッポン国vs泉南石綿村』、獲物の毛皮や頭だけを目的に動物を狩猟するトロフィーハンティングの実態を描く『サファリ』と上映が続く。

 幅広く、えりすぐりの作品を上映することは、ミニシアターの大切で楽しい仕事の一つだ。 (シネモンド支配人・上野克)

 

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