トップ > 北陸中日新聞から > 北陸文化 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

北陸文化

【美術】高波壮太郎さん 情熱の絵の具厚く 金沢・玄羅アート

「描くことは生きること」と語る高波壮太郎さん=金沢市本町の玄羅アートで

写真

 「最初から絵の具を分厚く塗ろうと思っているわけではなくて、不自然な部分を直したいと突き詰めていくうちに厚くなっていく。そのうちに絵に悲しさや喜びが表現されていく」

 チューブから絞りだした原色の絵の具が時に数センチに盛り上がるほどの厚み。洋画家・高波壮太郎さん(68)=東京都=は、独特の画風についてそう語る。

 多摩美術大卒後、無所属で一人、描き続けてきた。ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャン…。好きな画家は数多く、その絵を真似るようにして描き続けてきた。そのうちに「チューブから絵の具を絞ったほうが強い」と、今の表現にたどり着く。

 草花や風景などを題材としながら「単純な具象ではない」という。「例えば兼六園でマツを見る。それが脳に残っていつか作品になって出てくる」。さまざまな富士山を描くのは、「梅原龍三郎、中川一政、林武ら、日本の画家がみんな通ってきた道であり、自分も通らねばならない道」だという思いから。しかし高波さんにとって、単なる描写ではない。「絵は喜びや悲しみといった自分の感情であり、生きたいと思わせるものでなくてはならないから」

 毎朝、午前6時前に起床し、決まった時間から描く。「自分は下手くそ。でも、いい画家って、絵が下手なのを情熱で埋めている悲しみをよく知っている人なんじゃないか」

 「描くことは生きること」と、愚直に言い切る。ほとばしる絵画への情熱が、カンバスに圧倒的色の厚みとしてそのまま塗り込められているかのようだ。

 金沢市本町の玄羅アートで高波壮太郎絵画展(北陸中日新聞後援)が開催中。22日まで(16、17日休廊)。 (松岡等)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索