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北陸文化

【美術】今いる意味 球体に凝縮 指江昌克さん個展「NEWS」

レトロな町並みやブラウン管のテレビを球体にして描いた自作について語る指江昌克さん=金沢市内の自宅で

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 金沢のどこかで見たことのあるようなレトロな街並みを凝縮した球体が、現代の街にぽかりと浮かぶ。そんな絵画が海外でも評価を受けている金沢市在住の美術家・指江昌克さん(43)の個展「NEWS」が二十八日から同市青草町の金沢アートグミで開かれる。立体を含めた約十点の新作を展示。地元での個展は十数年ぶりといい、「指江ワールド」ともいうべき独特の世界観をじかに味わう機会になる。 (松岡等)

28日から金沢

 指江さんは金沢美術工芸大卒、同大大学院修了。自らが日常的に目にしてきた昭和を思わせる街並みや、ブラウン管型テレビ、自動販売機、パチンコ台などを球体にして描いてきた。近年は米国など海外での展示が続き、国内の個展は二〇一二年に東京で開いて以来になる。

 球体になったレトロな風景は「ずっと金沢だけで生活してきた自分が、子供のころから見て、記憶してきた世界。自画像的でもある」という。個展のタイトル「NEWS」は東西南北のことで「いろいろな方角から素材を集め、今の自分がいるという意味合いから」。街の記憶を凝縮した球は、現代や近未来のさまざまな場所に浮かぶが、海外でも「どこか懐かしい」という感想を聞くという。

米国・サンフランシスコの宿泊施設に描いた壁絵

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 新作の背景は、遠くにスカイツリーも見える東京郊外の団地。球体の古い街並みと団地との対比で、「どうしてベッドタウンに住むのか。もしかすると球体にあるような街から団地に来たのかもしれない。それは強いられてか、何か目的があったのか、などと考えてもらえるかも」と。

 球体は指江作品の一つのキャラクター的な存在。昨年十一月には、サンフランシスコの日本人街に近い地域にある宿泊施設からの依頼で、高さ約二十メートルの壁面に巨大な球体を描いた。プラスチックモデルのような地球儀型の立体作品にもある。個展期間中は会場で、段ボールを使い直径三メートルほどの巨大な球体を公開制作する試みも。

 一方、船を描くシリーズもある指江さんは今回、戦艦「大和」と「武蔵」が対になった、それぞれが130号の新作も披露する。戦後、金沢で実際にあった二つのライバル百貨店をめぐる政財界の争いがテーマ。「父親から聞かされていた話。近くで起きていることは、すべての縮図ではないかと思っている」

27日に開会トーク

 二十七日午後七時から指江さんによるオープニングトーク(参加費五百円)。会期中は、作品に描かれる昭和風の風景を探しながらアトリエ見学も行うアトリエウォーキングツアー(五月二十六日午後二時から、参加費千円)や、指江さんと批評家・福住廉さんとのトークイベント(七月一日午後六時)なども。(問)金沢アートグミ076(225)7780

 

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