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北陸文化

金沢美術倶楽部100周年記念 美のチカラ展 21日から 名品 膨らむ期待

石川県立美術館 金沢21世紀美術館 中村記念美術館 3館で展開

 全国5都市にある美術商団体「美術倶楽部」のうち地方都市では唯一の金沢美術倶楽部。加賀・前田家の文化政策を背景に育まれた文化的土壌を現代に受け継ぐ上で重要な役割を担い、今年100周年を迎える。これを記念する「美のチカラ」と題した展覧会が21日から5月20日まで、石川県立美術館、金沢21世紀美術館、金沢市中村記念美術館の3館で開かれる。国宝や重要文化財(重文)のほか、「秘蔵の名品」が一般公開される貴重な機会で、実行委員長を務める同倶楽部の内山祥一専務は「感謝の気持ちを込めた。金沢で培われた文化力を感じ取ってほしい」と意気込む。 (松岡等)

長次郎作黒楽茶碗「北野」 石川県立美術館蔵

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 金沢美術倶楽部は藩政時代から続いた清明講と稲荷講の二つの美術業互助組織が、一九一八(大正七)年に団結して株式会社として設立された。これには金沢出身の書道家、茶人で、北大路魯山人の才能を認めた最初の人物ともいわれる細野燕台が尽力したともいわれる。

 現在は石川県二十九店、富山県二十一店をはじめ全国の計百八十三店を株主に運営し、東京、大阪、京都、名古屋と並びながら、金沢らしい美術市場を形成している。

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黄瀬戸茶碗「朝比奈」 北陸大蔵

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 三館で開く展覧会では、長次郎作の黒楽茶碗「北野」(石川県立美術館蔵)、黄瀬戸茶碗「朝比奈」(北陸大学蔵)、大井戸茶碗「筒井筒」(重文、個人蔵)の三碗が公開される。内山専務は「歩ける距離にあり、ゆっくりとすべての館を見てもらいたい」という。

 県立美術館では「美の力」と題し、地元ゆかりの国宝四点、重要文化財三十四点を含む約百五十点を展示。金沢らしい文化がどのように受け継がれてきたのか、その道程を改めてたどる展示は見どころが満載だ。

 「北野」は、豊臣秀吉が京都・北野天満宮で開いた北野大茶の湯で千利休が使ったと伝わる。このほかにも、前田家伝来の「曜変天目茶碗」(重文、MIHO MUSEUM蔵)、七尾出身の絵師・長谷川等伯の「山水図襖」(重文、円徳院蔵)、野々村仁清作「色絵月梅図茶壺」(重文、東京国立博物館蔵)、俵屋宗達「狗子図」(個人蔵)などが並ぶ。

大井戸茶碗「筒井筒」 重文、個人蔵

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 21美の展示テーマは「POWER OF ART」。金沢美術工芸大の学生チームが企画から展示にかかわった。縄文時代の土偶から宮本三郎、鴨居玲の地元ゆかりの洋画まで、古今の美術品を作者や伝来などをあえて脇に置いて、作品そのものに向き合うよう意図。その中で約三十年ぶりに公開されるのが「朝比奈」。金沢の政財界で活躍した林屋亀次郎の旧蔵品の一つとして北陸大が所蔵していた逸品で、さまざまな美術品の中でどう見えるかが楽しみ。

 金沢市中村記念美術館では「茶事の妙」と題し、茶会を疑似体験するよう茶道具の名品を展示する。前期、後期で総入れ替えし、炉と風炉という趣の異なる取り合わせで総合芸術といわれる茶の湯の姿を味わってもらう。秀吉が愛用した「筒井筒」は前期に展示(後期は県立美術館で展示)される。

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 入場料は、県立美術館と21美がそれぞれ一般千円(大学生六百円、高校生以下無料)、中村記念美術館が一般・大学生三百円(高校生以下無料)。(問)金沢美術倶楽部100周年実行委事務局076(262)0391

 

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