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北陸文化

歩度 第6句集 千田一路さん(珠洲市)出版

千田一路さんの第6句集「歩度」(左)と「風港」15周年で発行された「千田一路俳句鑑賞」

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「風港」創刊15周年 「千田一路俳句鑑賞」も発刊

 句誌「風港」を主宰する石川県珠洲市在住の俳人・千田一路さん(88)が第六句集「歩度」(角川書店)を出版した。「角川俳句叢書(そうしょ) 日本の俳人100」の一冊。また「風港」が今年十五周年となるのを記念し、千田さんの句について、延べ三百二十七人の鑑賞文と句集発行ごとに書かれた小論を収録した「千田一路俳句鑑賞」(風港俳句会)も発刊された。

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 千田さんは一九二九(昭和四)年、石川県珠洲市生まれ。五四年に「風」に入会し、沢木欣一さんに師事。第三十一回角川俳句賞、二〇一〇年度地域文化功労者文部科学大臣表彰など。エッセー集に「荒磯断想」、挿絵画家の西のぼるさんとの共著「能登の細道」「加賀の細道」がある。

 第三句集以来、五年ごとに句をまとめている。今回は二〇一三年から一七年までの三百六十二句を収録。能登の自然、風物、暮らしの小さな出来事に老境を重ねる。悲しみや寂しさを帯びた句にあっても、自身を見る目がどこかさっぱりとして若々しい。「サラサーテはる月重く尾根離る」と音楽を愛し、「九条は異国語ならず昭和の日」と社会に目を向ける。

 タイトルの「歩度」とは歩く早さや歩幅のこと。あとがきで、前句集「自在」で「計らいに捉われない自在な俳境」を目指したが、その後の句に「『歩み』や『足』に関することに触れた作品が、人称を問わず多い点に改めて気づいた。加齢が伴う自省からの無意識のこだわりからだろう」と記している。帯の自選句。「春愁を脱ぎ切れず歩度速めても」と詠みながらも、「麗(うら)らかに荷風好みの下駄(げた)履いて」の軽やかさ。

     ◇

 「千田一路俳句鑑賞」は「風港」の創刊十五周年記念事業としてまとめられた。同人のほか、さまざまな句誌で千田さんの句や句集についての評した文章をまとめた。千田さんの句を味わい、句業をたどる絶好のガイドになっている。 (松岡等)

 

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