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北陸文化

【美術】これが わたしの ドラえもん 高岡市美術館 5月6日まで

村上隆さんの「ぼくと弟とドラえもんとの夏休み」(左、2002年)と「あんなこといいな 出来たらいいな」(右、2017年)(C) 2017 Takashi Murakami/KaiKai Kiki Co,Ltd (C)Fujiko−Pro

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 日本を代表する現代美術作家らが「ドラえもん」にインスピレーションを得て制作した作品を集めた「THE ドラえもん展 TAKAOKA 2018」(北陸中日新聞後援)が、ドラえもんの作者、藤子・F・不二雄さんの出身地である富山県高岡市の同市美術館で開かれている。

現代美術作家の視点

 一九七〇年に誕生したドラえもんを今の視点で読み解いた作品群は幼児から大人まで世代を超えて楽しめる。同時にドラえもんを通して、これまで現代美術に接点のなかった人にも親しみやすい展覧会になっている。

鴻池朋子さんの「しずかちゃんの洞窟(へや)」(2017年)(C)Tomoko KONOIKE (C)Fujiko−Pro

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 参加アーティストは二十八組三十人。二〇〇二年から〇六年にかけて高岡市美術館を含め全国十三会場を巡回した「THE ドラえもん展」の続編ともいえる企画だ。このうち奈良美智さん、蜷川実花さん、福田美蘭さん、森村泰昌さん、村上隆さんの五人の作家は前回に続く出品で、十五年前の作品との比較もできる。

 村上さんの作品は縦三メートル、横六メートルの大画面。自らのキャラクターとドラえもんのキャラクターが混在しながら、違和感なくドラえもんの世界観そのものが展開する。鴻池朋子さんは近年取り組む動物の皮を使った巨大な皮緞帳(かわどんちょう)にしずかちゃんをテーマにした壮大な洞窟画を思わせる大作を描いた。

れなれなさんの「静かな決意」(2017年)(C)RenaRena (C)Fujiko−Pro

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 写真家の蜷川さんは前回と同じく、ドラえもんと少女のデートをコンセプチュアルなスナップ写真で表現。十五年前にインスタントカメラ「チェキ」を使ったのに対し、今回はインスタグラムで発信する仕掛けもあり、時代の変化を感じさせる。同じ写真家でも梅佳代さん(石川県能登町出身)は、自らの過去の作品群の中にドラえもんを発見して出品。ドラえもんがいかに日常にあるのかを再認識させられる。

 藤子さんと同じ漫画家のしりあがり寿さんはあえてアニメーション作品を制作した。子どもたちに大うけする作品だが、万能のドラえもんの世界に対するシニカルな笑いに大人も考えさせられる。

奈良美智さんの「依然としてジャイアンにリボンをとられたままのドラミちゃん@真夜中」(2017年)(C)YOSHITOMO NARA (C)Fujiko−Pro

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 若手十二組は、三十七作ある「ドラえもん映画」から一作を選んで作品を制作した。メディアアーティストのクワクボリョウタさんのインスタレーション作品はライトを付けた鉄道模型を走らせることによる光と影の幻想的な風景を生みだし、画家のれなれなさんは黒板に白チョークで緻密な絵画で映画の一場面を描くなど、それぞれが個性を発揮。今後の日本のアート界を担うと目される作家を発見する機会でもある。

 五月六日まで。四月三十日を除く月曜日休館。

  ◇

 参加アーティスト(五十音順、敬称略)会田誠、梅佳代、小谷元彦、鴻池朋子、佐藤雅晴、しりあがり寿、奈良美智、西尾康之、蜷川実花、福田美蘭、町田久美、Mr.、村上隆、森村泰昌+コイケジュンコ、山口晃、渡辺希、クワクボリョウタ、後藤映則、近藤智美、坂本友由、シシヤマザキ、篠原愛、中里勇太、中塚翠涛、増田セバスチャン、山口英紀+伊藤航、山本竜基、れなれな

 

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