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北陸文化

【雨乃日珈琲店だより ソウル・弘大の街角から】(3) お隣のカレー屋さん

「三夜」(2017年)。昨年3月、「三」をテーマとした展示に出品した作品

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「日本式」+斬新スタイル

 韓国の若者にとって日本食、正確に言えば「日本式の料理」は、パスタやハンバーガーのように日常的に食べる料理のひとつ。特にここ弘大は日本式料理のお店が多いことで知られている。面白いのは、寿司やラーメンのみならず、日本式カレー屋、日本式パン屋、日本式弁当屋など、多彩な日本式料理店が登場し浸透していることだ。

 カレーだけ見ても多彩だ。まず、日本人が家庭で食べる茶色いカレーが、一般的な「日本式カレー」。なお韓国人も昔から普通にカレーを食べており、こちらは黄色くてあっさり味となっている。

 弘大に進出した日本のドライカレー店も日本式カレーであり、さらには「札幌スープカレー」を始め、「九州カレー」「大阪カレー」なる聞きなれない日本式カレーも販売されている。ちなみに、トンカツとキャベツが載った「金沢カレー」の店も、かつてはあった。そのカレー屋は、現在もそのままの店名で営業しているが、知らぬ間に普通のカレーを出すようになっていた。

 実は当店のお隣も日本式カレー屋だ。雨乃日珈琲店とほぼ同時期にオープンし、仲良く八年目を迎える気の置けないお隣さん。日本のカレー専門店に教えてもらったレシピをもとに手作りしており、常連客が多く私たちもよく利用している。

玄関で接客するお隣の猫。日本語の雲にかけて「クモちゃん」という名前=ソウル市内で

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 当初、お隣さんのアピールポイントのひとつは「猫がいること」だった。お客さんたちには概(おおむ)ね好評で、店内にちょこんと座る、ふわふわの白いニャンちゃんに会うのが目的の人も多かった。飲食店にペットがいることでクレームをつける人はいない。

 そして昨年、長年勤めていた日本人スタッフが退職したことをきっかけに、お隣さんは内装工事と大幅リニューアルを決行。お店の新たなコンセプトは何と「カレーと編み物のお店」だ。カレーを提供しながら、店内の片隅で編み物教室を行ったり、また編み物用品や毛糸を販売している。

 カレーは日本式でも、そのおおらかで斬新なスタイルはまさに韓国式だと舌を巻いた。

 (しみず・ひろゆき=ライター、いけだ・あさこ=書家、金沢市出身)

 

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