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北陸文化

【音楽】OEK 井上道義音楽監督の11年 きょう 最後の金沢定期公演

2012年5月 定期公演のリハーサルで見せた渾身(こんしん)の表情

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2015年5月 オペラ「フィガロの結婚」では、新演出した野田秀樹さん(中央)と抱き合って成功を喜び合った=金沢歌劇座で(石川県音楽文化振興事業団提供)

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 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の井上道義監督が十七日、音楽監督として最後の金沢定期公演を迎える。OEK創設に尽くした初代音楽監督の岩城宏之さん(永久名誉音楽監督)の死去を受け、後任として二〇〇七年一月に就任。その後の十一年間は、OEKの顔であると同時に、音楽家としてさまざまな活動に挑戦した年月だったように見える。

 石川県立音楽堂を活性化させるために音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」を開催し、能など邦楽とのコラボレーションを積極的に取り入れた。オペラにも意欲的で、特に野田秀樹さん新演出による全国共同制作のモーツァルト「フィガロの結婚」は話題を呼んだ。音楽堂を飛び出して、金沢21世紀美術館での演奏会や学校公演にも出向いた。海外ツアーも四度。二〇一四年には咽頭がんが発見されたが闘病の末に乗り越えた。

2011年4月 東日本大震災で被災した仙台フィルを招いて合同演奏した支援コンサートでは、拍手が鳴りやまなかった

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2008年10月 能や邦楽とのコラボレーションには就任当初から積極的に取り組んだ。オーケストラのための「井筒」を世界初演

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 時にパフォーマンスともとれる言動の一方、退任発表直後のインタビューで「オーケストラとして本流を目指した」と語っていた。室内オーケストラであるOEKは、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンといった古典の時代と同じ規模で、「これが本流と示したかった。それはできた」と胸を張る。

 井上さんの自信を裏付けるように、設立からの団員の一人からも「井上さんの時代で弦楽パートの実力は確実に上がった」と聞いた。井上さんは最後の定期をハイドンの交響曲第六番「朝」、七番「昼」、八番「晩」で締めくくる。設立三十年目を迎え、国内屈指の常設室内オーケストラと言われるまでになったOEK。井上時代の総決算の演奏会になる。

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 公演は金沢市の石川県立音楽堂で午後二時開演。ピアニスト反田恭平さん独奏によるプーランクの「オーバード(朝の歌)」も。

2017年9月 岩城宏之メモリアルコンサートでは、第1コンサートマスターのアビゲイル・ヤングさん(左)、主席チェロ奏者のルドビート・カンタさん(中央)の2人とも熱演した

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2007年4月 美術館の展示室でも演奏=金沢市広坂の金沢21世紀美術館で

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撮影場所の表記がない写真は、いずれも石川県立音楽堂で

 

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