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北陸文化

【能楽おもしろ鑑賞法】16 能「石橋」 雷が呼ぶ獅子の乱舞

獅子が豪快に舞う能「石橋」。写真は赤白2頭が舞う連獅子の演出による=2002年9月21日、石川県立能楽堂で

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 能には大曲と呼ばれる演目がいくつかあるが、最も華やかで勇壮なのが「石橋(しゃっきょう)」だろう。金沢能楽会が四月一日に金沢市の石川県立能楽堂で催す別会能で、上演される。

 舞台は中国。日本から仏跡探訪の旅に来た寂昭法師(ワキ)が、文殊の浄土・清涼山につながる石の橋を渡ろうとする。そこへ木こりの少年(ツレ、宝生以外は前シテ)が現れ「名のある高僧でさえ何カ月も修行してから渡った橋である。たやすく渡るなど危ういことだ」とたしなめる。

 この橋、幅が一尺(約三十センチ)もない上、コケに覆われて滑りやすく、谷底までは千丈(約三千メートル)余もある。肝を冷やしていると、美しい音楽が聞こえてきた。文殊菩薩の出現が間もないのだ。

 ここからが、見どころ聞きどころの獅子舞。獅子は文殊に仕える霊獣で、菩薩に代わって出現したという設定だ。

 ヒシギという甲高い笛の響きが続き、鼓や太鼓が激しい掛け声と鋭い打音を重ねる。乱序という舞の導入部分だが、雷序とも称する。掛け声は雷声。“雷鳴序曲”である。中間で、太鼓と小鼓が奏する繊細なやりとり「露の拍子」が、深山の静けさを表した後、再び激しい演奏となり獅子(シテ)が登場する。

 舞の部分は「狂い」と呼ばれる。深い谷から天空までを乱れ舞い、大輪のボタンに戯れる。両手をピンと張り頭をそらす型は、獅子の咆哮(ほうこう)を思わせる。雷序、狂いなど独特の呼称をヒントに、スケールの大きさを存分に味わってほしい。 (笛)

◇別会能番組

 (4月1日午後1時、石川県立能楽堂)

▽能「源氏供養〜真之舞入」(シテ島村明宏)

▽狂言「伊文字」(シテ野村万蔵)

▽仕舞「弱法師」(シテ宝生和英)

▽能「石橋」(シテ松田若子、ツレ渡辺茂人)

▽入場料=一般1万円(当日1万500円)若者割(30歳未満、当日のみ)4000円

(問)同能楽堂=電076(264)2598

 

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