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北陸文化

金沢21美 2018年度の事業 アジアに目を向ける 「東アジア文化都市」開催で

【左】チウ・ジージエ《暗がりの伝道者》2008年 (C)QUI Zhijie【右】アイ・チョー・クリスティン《Too Many Fishes》 2013年 (C)Ay Tjoe Christine,courtesy of Ota Fine Arts

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空き家での展示や舞台も

 金沢21世紀美術館が二〇一八年度の事業を発表した。金沢市が、日本、中国、韓国で文化芸術イベントを繰り広げる「東アジア文化都市」の開催地の一つになったのを受け、アジアの作家や表現を積極的に取り上げる。主な予定を紹介する。 (松岡等)

 展覧会では、まずインドネシアの現代美術家アイ・チョー・クリスティンの個展「霊性と寓意(ぐうい)」(四月二十八日〜八月十九日)が開催される。一九七三年、バンドン生まれ。キリスト教の説話や精神的主題に基づき、人間の不完全性や二面性への洞察をカンバスに表現する作家で、日本では初めての個展となる。

 中国の現代作家チウ・ジージエの「世界の写像」展(九月八日〜来年三月三日)は「東アジア文化都市」の一環。同館で初めての中国人作家の個展になる。一九六九年、福建省生まれ。新しい時代の中国美術を担う世代の一人で、二〇一五年に21美が開いた「誰が世界を翻訳するのか」展にも出品。昨年のベネチア・ビエンナーレでキュレーターも務めた。今回は、世界の有りようを俯瞰(ふかん)して関係を記す「地図」の形式を借りながら「我々は何者か」を捉えようとする作家の創造について迫る展示になるという。

【上】ハン・ソクヒョン 《Super−Natural》 Han Seok Hyun 2011/2016 Courtesy of the artist【下】日台国際共同プロジェクト「1948」台湾公演 撮影:松原豊

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 企画展「起点としての80年代」(七月七日〜十月二十一日)は現在につながる八〇年代の日本美術を再検証しようとする試み。インスタレーションといった形式、作品制作と社会との関係の意識、「美術」という制度自体を相対化する視点、日常性や軽やかさを重視した表現など、サブカルチャーを含めた表現について、大竹伸朗、岡崎乾二郎、川俣正、日比野克彦、森村泰昌らの作品を通して読み解く。

 「東アジア文化都市」のイベントでは、金沢市内で日中韓三カ国の現代美術作家が家をテーマに作品を発表する「変容する家」展(九月十五日〜十一月四日)も注目される。市内で使われていない空間を探し、十数人の作家がそれぞれ独自の視点で家について考える展示を行う。日本からの参加だけでも川俣正、さわひらき、山本基、岡田利規、風景と食設計室ホーら、韓国のハン・ソクヒョン、中国のチウ・ジージエら、日ごろ行っている表現手法やテーマはさまざま。多様な表現が市内各地で展開されそうだ。

 舞台芸術ではシアター21で来年二月十六、十七日に予定する日台国際共同プロジェクト演劇版「珈琲時光」の公演がある。津市を拠点にする第七劇場と台湾・台北を拠点にするカンパニーが共同で、台湾を代表する映画監督ホウ・シャオシェンの同名映画を演劇化。これまで二年にわたり続いた共同制作の三回目で、金沢での上演は今回が初めてとなる。

 

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