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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 映画館にゲストを迎えること

 新年が始まったと思ったらあっという間に一月が終わった。二月の寒波による暴風雪で、一番遅い時間の上映を取りやめて早じまいする日もあった。流通も止まって、次の劇場に送る予定だった映画のデータが入った上映用のハードディスクなどを送るめどが立たず困っている。営業的に厳しい日々が続いているけれど、シネモンドは二十周年に向けてにぎやかな一年にしたいものだ。

 一月には『禅と骨』の中村高寛監督が来てくださったが、二月はまず『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』で伊勢真一監督が来館してくれた。さらに十七日には『光』の大森立嗣監督、二十一日には『ライオンは今夜死ぬ』の諏訪敦彦監督がやって来る。一カ月に三人のゲストの来館とは。

 大森監督は自ら劇場に行きたいとおっしゃっていた。『さよなら渓谷』以来、二度目。とてもうれしい。

 また、こども映画教室でもとてもお世話になっている諏訪監督は、こども映画教室にインスピレーションを得た作品『ライオンは今夜死ぬ』での来館だ。平日だが、九年前に諏訪監督の指導を受けた子供たちにも是非見にきてもらいたい。

 さらに三月には『ゴンドラ』の伊藤智生監督と、『わたしたちの家』の清原惟監督がそれぞれ舞台あいさつに来ていただける予定だ。

 『ゴンドラ』は一九八七年の作品だ。当時二十代の若者たちが参加した独立プロで製作し、美しい映像と幻想的な色彩でひとりの少女の心の対話を描いている。八八年に劇場公開されて以来、幻の作品となっていたが、三十年ぶりのリバイバル上映となった。

 この上映を決めるに当たっては、高崎と大分のミニシアターの支配人から「応援したい作品なのでぜひ上映を検討してもらえないか」と電話があった。全国のミニシアターの横のつながりで、作品を応援したいという思いに乗ることにした。

 『わたしたちの家』は、二〇一七年PFFアワードグランプリ受賞作品で、東京芸術大大学院で黒沢清、諏訪敦彦に師事した清原惟監督の劇場デビュー作。こちらも他の劇場から評判が伝わってきた。

 かつての、そして現在の自主制作による新しい才能が花開いた作品たち。両監督も自ら舞台あいさつに伺いたいと申し出てくださった。監督も観客と直接会いたいのだ。作家と観客が出会う場所となることも、映画館の役割の一つだとあらためて感じている。

(シネモンド支配人・上野克)

 

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