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北陸文化

【映画】奈緒ちゃんと家族の35年 記録 伊勢真一監督「やさしくなあに」

「家族の幸せとは何か。自分にひきつけて見てもらいたい」と話す伊勢真一監督=金沢市内で

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2月3日から 金沢・シネモンド

 てんかんと知的障害のある西村奈緒さんとその家族を撮り続けている伊勢真一監督(68)のドキュメンタリー映画「やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜」が2月3日から2週間、金沢市のシネモンドで上映される。伊勢監督は「家族についての映画。幸せとは何か、自分にひきつけて見てもらいたい」と話す。

 伊勢監督がめいの奈緒さん家族を撮り始めたのは1983年。奈緒さんは8歳だった。「家族のアルバムのような映像をプレゼントするつもりが、撮り続けるうち奈緒のユーモラスな感じ、日本の家族の典型的なありようを記録するのがおもしろくなった」。映像は1000時間。本作は奈緒ちゃんのシリーズ4作目だ。

ドキュメンタリー映画「やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜」の一場面((c)いせフィルム)

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 映っているのはほとんどが家族の日常。グループホームで生活する奈緒さんの成長とともに、自らの生き方に迷う母、定年退職した父、優しい弟にも焦点が当たり、家族とは何かを考えさせられる。母と言い争う父に奈緒さんが発した「ケンカしちゃいけないよ。やさしくなあに…と言わなくちゃ」という言葉からタイトルがついた。

 完成前の16年7月、相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害される事件が起きた。「障害者はいない方がいい」という容疑者の言葉。奈緒さんの母の「そう思っている人はいる。彼を生み出したのは社会」というつぶやきが重く響く。

 記録映画編集者だった父の故伊勢長之助さんは金沢市出身。「父が亡くなり、自分が映像の仕事を始めた年に奈緒が生まれた。自分史が整理できたようでもある」。35年は「ものの見方が深まっていく時間だった」とも。どの作品でも対象に寄り添うようにカメラを向けてきた。問題を告発する映画を否定はしないが「現象にとらわれず、生きた人間を伝える、映像だからこそできるやり方があるのではないか」と語る。

     ◇

 シリーズ第1作の「奈緒ちゃん」(1995年公開)も2月3日から1週間、同時上映。初日に伊勢監督のトークがある。 (松岡等)

 

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