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北陸文化

素材多様な現代アート 保存、修復はどうする 作家の狙い文書化を

複合媒材による現代美術の保存・修復について語り合う専門家ら=金沢市の金沢21世紀美術館で

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金沢21世紀美術館で国際シンポ

 工業製品から植物、動物などまで、多様な素材が時に複雑に組み合わせることも当たり前な現代美術。作品を収集、展示する現代美術館などでは、どう保存、修復して、公開の持続可能性を担保するかが課題になっている。昨年12月、金沢21世紀美術館に国内外の美術館で保存・修復を担当する学芸員(コンサベーター)が集まって開かれた「複合媒材」(ミクスト・メディア)の保存、修復をテーマにした国際シンポジウムでは、作品のコンセプトや意図を文書化して記録する必要性などが指摘された。

 米国のボストン美術館は古代から現代までの美術品を所蔵する世界有数の美術館の一つ。現代美術作品は約4000点で、同館のフラビア・ベルジーニさんは、ビデオアートや機械などで駆動する動きを伴うキネティックアート、ネオンや蛍光灯などを使った作品や彫刻、インスタレーションなどの保存、修復を専門にする。

 米国で手に入らない部品を中国で確保したり、ビデオアートなどをハードディスクなどに移して保存する場合にもソフトウエアが作品に影響する場合があり、科学的な専門家との協働も必要と指摘。修復ではコンセプト、作家の意図、素材の順に考えるべきだとした。

 韓国のサムスン美術館リウムの柳蘭伊(リュウナニ)さん、香港で2019年に開館予定の「M+(エム・プラス)」のクリステル・ペスメさんもそれぞれ事例を報告。修復の専門家のネットワークづくりの重要性を強調した。

 21美でも2004年の開館以来の収蔵品が3000点にのぼる。学芸員の内呂博之さんは収蔵する段階で作品の劣化、損傷の予測をした「予知保全」の必要性を挙げた。ベルジーニさんはそのためにも「作家や収集したギャラリーなどとの対話を文書化して記録しておくことが重要」などと話した。 (松岡等)

 

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