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北陸文化

【古地図で楽しむ金沢】 じわり人気↑ 本康宏史さん編著

「地理的な面だけでなく、地図を通して金沢の歴史や文化についての記述にも力を入れた」と語る編著者の本康宏史・金沢星稜大教授=金沢市の同大で

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「軍都」「学都」も金沢の顔

 古地図で街歩きを楽しむシリーズの一冊「古地図で楽しむ金沢」(風媒社)が九月の出版以降、じわりと人気を広げている。編著者の本康宏史・金沢星稜大教授(60)は「地理的なこと以上に歴史や文化の記述などに力を注いだ。観光客や街を案内するボランティアの方にも読んで活用してもらえるのではないか」と話している。

 石川県立博物館で学芸員を務めていた経歴のある本康教授。「学芸員同士のネットワークをフル活用して近世、近代の歴史や文学について新しい知見も加えていただいた」。さまざまな分野の三十人以上が執筆する。

 「古地図を読む」「地図で見る金沢の歴史」「地図が語る石川の景観」の三部構成だが、圧倒的に読み応えがあるのが「金沢の歴史」。近世の加賀藩時代は金沢城や兼六園、惣構堀、加賀八家、辰巳用水など金沢の歴史はもちろん、日記を読み解き、地図で武士らの遊興や美食などの生活ぶりなどは興味は尽きない。

 最大の特色は明治以降の近代についての記述が充実していること。旧陸軍第九師団が金沢城跡に駐留した「軍都」、旧制四高があった「学都」でもあった歴史を詳述。第二次大戦時中の軍需工場などや戦後の内灘闘争についても紹介した。

 米騒動、明治中期以降に市街地が拡大していく様子、遊興地、近江町などの歴史もトピックごとに解説。泉鏡花、徳田秋声、室生犀星の各記念館の学芸員も執筆し、ゆかりの地を地図でたどるのも楽しい。A5判、百六十一ページ。千六百円(税別)。 (松岡等)

 

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