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北陸文化

【映画】世界でいちばん美しい村 震災後を生きる ヒマラヤの民の姿

ラプラック村の人々と交流する石川梵さん=太秦提供

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23日から 金沢・シネモンド

石川監督のトーク 24、25日

 二〇一五年四月に約九千人の犠牲者を出したネパール大地震で壊滅的な被害を受けた山岳地帯の小さな村で、たくましく生きる人々の姿を追ったドキュメンタリー映画「世界でいちばん美しい村」が二十三日から金沢市のシネモンドで上映される。監督は地震直後に現地に入った写真家石川梵(ぼん)さん。二十四、二十五の両日の上映後、石川さんのトークも予定する。

 映画の舞台は首都カトマンズの北西七十七キロ、標高二二〇〇メートルの小さな村ラプラック村。震源地に近く壊滅的な被害を受けた。キャンプ暮らしを余儀なくされながらも希望を捨てず、助け合いながら暮らす人々の姿を、村の純真な少年とその妹の家族を中心に描いている。

 石川さんは、元AFP通信社のカメラマンで、フリーになった後は世界各地の大自然や人々の祈りなどをテーマにしてきた。東日本大震災では津波の爪痕をいち早く空撮した。その経験から、地震発生の三日後にはネパールに入り、車と徒歩で村にたどり着いた。

 そこで孤立無援の村の様子を見て衝撃を受けた石川さんは、報道だけではなく支援も開始。三トンの食料を運び、日本で集めた支援金で六百世帯にベッドの材料を提供した。その後、復興支援を目的に映画作りをスタート。本格的な映画作りは初めてだったが、撮影で通うことで継続的に支援ができ、映画で村の実情を内外へ伝えることが復興までの長い過程を支えることにつながると考えたためだったという。

 撮影は一五年五月から約一年間。ドローンを使った空撮も駆使し、斬新な映像をつくり上げた。俳優の倍賞千恵子さんがナレーションで参加。山田洋次監督からもアドバイスを受けた。資金不足を補うため、クラウドファンディングも活用した。

映画「世界でいちばん美しい村」の一場面

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 今年三月から都内の劇場を皮切りに始まった上映は、「ヒマラヤの奥地になつかしい日本の原風景を感じる」などと口コミで評判を呼び、上映館は全国三十七館に拡大。東京では来年も上映が予定されるロングランになっている。

 石川さんは「震災という極限の状況の中でこそ、人間の生き方の真価が問われると思う。絶望的状況のなかでも明るく前向きに生きるヒマラヤの民の姿には、今の日本が忘れかけているものがあるかもしれない」と話している。

 シネモンドでは二十三日から一週間、午後二時三十五分から上映。二十四、二十五日の上映後に「本当の幸せとは何か」をテーマに話す。トークには、映画のエンドロールに歌を提供したミュージシャン*はなおと*さんも参加する。

  (松岡等)

 

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