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北陸文化

金沢・現代会議 鈴木大拙館

「金沢・現代会議」で対談する内田樹さん(右)と姜尚中さん(中)=金沢市文化ホールで

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姜尚中さん 漱石の「因果」善悪の彼岸

内田樹さん 「正義」は時間の流れ重要

 「金沢・現代会議−現代に生きる・現代を生きる」(金沢市、鈴木大拙館主催)が十一月二十八日、同市文化ホールであり、政治学者の姜尚中さん(東京大名誉教授)と思想家の内田樹さん(神戸女学院大名誉教授)がそれぞれに講演、対談した。

 姜さんは「因果に生かされ、因果を生きる」と題した講演で、夏目漱石が日記などで「因果」「因縁」という言葉を度々使っていると指摘。「漱石は小説の中で自由に根源的な懐疑を持っていた」「因果という言葉で善悪の彼岸を考えていたのでは」と述べた。

 内田さんは「大地の霊について」をテーマに語り、鈴木大拙が著書「日本的霊性」で、日本に本来的な宗教性が発生したのは鎌倉時代と指摘したことを挙げ、「大地に根を張った身体性を伴う武道、能楽も同じ文脈から出てきた」と持論を展開した。

 対談で姜さんが「国家間の裁く、裁かれる際の前提にある『正義』をどう考えるべきか」と問いかけたのに対し、内田さんはフランスの哲学者レヴィナスの思想から「正義を要請するのは被害を受けた人への慈愛。厳正に裁かれた後に、裁かれた人への慈愛がくる」とし、「正義」の問題を考えるために、時間の流れの中でとらえる重要性を強調した。

  (松岡等)

 

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