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北陸文化

【能楽おもしろ鑑賞法】11 能「竹雪」悲劇の少年と雪の演出

能「竹雪」の一場面。雪をかき分け母と姉が月若を探す=2008年12月7日、石川県立能楽堂で

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 能には神様、鬼、源平の武将や王朝の姫君の幽霊、草花の精などがさまざまな「命」が描かれる。もちろん生身の人間も。そんな能『竹雪(たけゆき)』が金沢能楽会の十一月定例能で上演される。先妻の子を雪の中に薄着で放り出して凍死させる、やりきれない話だ。

 役の分担が独特。悲劇の少年月若(つきわか)は当然子方だが、注目の継母(ままはは)は狂言方が担当(もう一人、少年の家の従者も狂言方が演じる)、父左衛門はワキ方だ。シテは実母役で、実母と暮らす姉はツレである。

 ここは冬の越後。参籠(さんろう)に出る左衛門は新しい妻に、降り積もるなら従者に竹の雪を払わせるよう指示する。妻の憎々しい受け答えは狂言方ならでは。家出を決意し実母の元へ行く月若は、だまされて連れ戻され、上着をはぎ取られた上、竹の雪を払うよう命令される。

 日は暮れ凍るような寒さに。月若は耐えきれず家に戻ろうとするが門には鍵が。たたいても返事はなく、雪に埋もれ死んでしまう。従者から悲報を聞いた母と姉は月若を探しまわる。結末は当日に。

 白い布で月若を覆う雪を表す巧みさは見事。大役に挑む子方。「こんな能もあるんだ」と思う方も多いのでは。

 後半、雪をかぶった竹の作り物が舞台に出るので一部正面席は見にくいかも。継母御は「ままはわご」、母上は「はほおえ」と謡われる。さあ能楽堂へ。 (笛)

◇十一月定例能番組(11月5日後1時、石川県立能楽堂)

▽能「竹雪」(シテ藪俊彦、子方渡辺真之助、狂言・継母能村祐丞)

▽連吟「清経」(中村清ほか)▽狂言「鐘の音」(シテ炭哲男)

▽能「土蜘」(シテ佐野玄宜、ワキ平木豊男)

 入場料=一般2500円(当日3000円)学生1000円、中学生以下無料(問)同能楽堂076(264)2598

 

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