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北陸文化

【写真】須釜聡さん 2冊目の写真集 「やさしや」 撮りためた能登の風景

愛用の中判カメラを手に写真集「やさしや」への思いを語る須釜聡さん=金沢市内で

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 金沢市在住の写真家・須釜聡さん(56)が能登をテーマにした二冊目の写真集「やさしや」(リーブル出版)を発刊した。八年ほどの間に撮りためた春夏秋冬の何げない九十枚の風景写真には人の姿はほとんど写っていないが、ページからは暮らす人びとの息遣いと土地が醸し出す「やさしさ」が立ち上るようだ。

 須釜さんは北海道上砂川町生まれ。金沢大卒。三十歳で写真をスタート。フィルムにこだわり、医療関係の仕事のかたわら、中判カメラを抱えて能登に通って撮り続けてきた。

須釜聡さんの写真集「やさしや」から

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 二〇一一年に発表した前作「nami o to 波音」(風景写真出版)では、波や岩礁など海をテーマにしたが、今回は人里の風景もふんだんに盛り込んだ。山間地の田植え前に水を張った田に映るサクラや棚田、畑のネギ坊主、イチョウが紅葉する神社や雪を被ったカキの実などの写真などは、能登の豊かな自然に育まれた静かな暮らしを感じさせる。一方で、耕作放棄地に打ち捨てられ雑草が絡まる廃車からは過疎化が深刻化する現実も。

 須釜さんは「人物は入っていなくとも人の臭いのする写真を入れた。『能登はやさしや土までも』と言われるが、『やさしさ』とは人にやさしいというだけでなく多様ではないか。貧しくともその土地で生活することや厳しい自然を受け入れていくこともやさしさ」とタイトルに込めた思いを語る。千八百五十二円(税別)。(松岡等)

 

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