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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 映画のはじまりと演出

リュミエール兄弟の作品で「映画のはじまり」を体験するこども映画教室の参加者=金沢21世紀美術館で

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 夏休みが近づいてきた。今年も夏休みのこども映画教室を開催することになった。二〇〇四年に金沢で始まり十四年目。今年は東京国際映画祭でもTIFFティーンズ映画教室2017と題して、こどもたちが本格的な映画製作に挑戦するワークショップが開催されることになった。

 金沢での夏の映画教室は、「映画のはじまり」というテーマに毎年チャレンジしている。工作で絵が動く仕組みを体験したり、世界で最初の映画を鑑賞したり、今年は「映画づくりのはじめの一歩」を体験できるワークショップを企画している。

 一八九五年に開催されたリュミエール兄弟による世界で最初の映画の有料上映会で披露された世界初の実写映画は「工場の出口」と呼ばれる作品だ。

 「工場の出口」は、労働者たちがリュミエールの工場から出てくるシーンを撮影した五十秒ほどの作品である。建物の大きな出入り口から出てくる男女。付近をうろうろしている大きな犬、横切る自転車、奥から出てくる馬車などが映し出される。

 ただ建物から仕事を終えた人々が出てくるだけの映像なのだが、「工場の出口」は、仕事を終えて家路へと向かう人々を隠し撮りのように撮影したのではなく、監督による演出が加えられているという。

 実はこの作品にはいくつかバージョンがある。リュミエール兄弟は最初に撮影した時、労働者たちの表情が暗かったことに満足せず、撮り直した。その時に出演している労働者たちに動き方、表情、タイミングなどの指示を与えたという。他にも、工場の出入り口が開けっ放しで始まる映像と、出入り口が開けられるところから、最後の一人が出てきて扉が閉じるところまで撮影されているバージョンもある。

 どのタイミングで、どこから、どのように撮影するか。それらも演出だ。フィクションの映画はもちろん、ドキュメンタリー映画でも演出がある。演出のことがわかると映画がもっと面白くなる。映画と演出のはじまりに触れてもらえることで、こどもたちにも映画にもっと親しんでもらえればと思う。

 こども映画教室2017年度<初等クラス>は、八月二十日(日)に金沢21世紀美術館で開催する。対象は小学生。問い合わせはシネモンド・上野(問)076(220)5007。(シネモンド支配人・上野克)

 

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