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北陸文化

【能楽おもしろ鑑賞法】8 能「百万」解剖企画 型や演出に注目

能「百万」の一場面。徹底大解剖という企画で舞事の実演解説がある=2010年3月7日、石川県立能楽堂で

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 八月は金沢能楽会の定例能が休み。その代わり、能楽協会北陸支部が石川県立能楽堂で「ろうそく能」を催す。薄暗い照明の中、能「百万」を上演するほか、その前に「車の段」「イロエ」「クセ」といった百万の舞事を、実演を交えて解説する特別企画だ。名付けて徹底大解剖。

 こんな丁寧な企画に紹介記事はいるまいが、あえて能「百万」の“おもしろ鑑賞法”を書いてみたい。

 粗筋は、都の男(ワキ)が奈良・西大寺付近で拾った子(子方)を連れて、嵯峨・清涼寺の大念仏に参詣する。門前の男(狂言)に誘い出された狂女百万(シテ)がさまざまな芸を見せる。子は百万が母だと気付くが、釈迦(しゃか)如来仏の徳をたたえる舞は続く。百万も子を探しており「あらわが子恋しや」と泣き崩れた後、ようやく再会を果たす。

 さて、百万が登場した直後に舞う「車の段」と「笹(ささ)の段」。内容は連続するが、囃子(はやし)に太鼓が入る、入らないの違いにご注目を。舞の所作では、笹の段で謡われる「なお三界の首かせかや、牛の車のとことわに」での型に納得するはず。

 子方の台詞も聞き逃しなく。母を認めたのに「よそのようにて問うて」ほしいと素っ気ない。母が狂女だった引け目からか。都の男も「今も子という者のあらばうれしかるべきか」と聞くばかりだ。クセを舞った後、「狂人ながらも子にもや会うと、信心(しじん)な無きを南無阿弥陀仏」と激白する母の哀れさを引き出す演出? あれこれ思わせる能なのでお楽しみに。 (笛)

    ◇

◇ろうそく能番組(8月11日後1・30、石川県立能楽堂)

 ▽徹底大解剖「狂女・百万はわが子を求めて舞いさまよう」

 ▽狂言「蚊相撲」(シテ能村祐丞)

 ▽能「百万」(シテ佐野玄宜)

 ▽入場料=一般3500円(前売り3000円)若者割(30歳未満、当日のみ)1500円 (問)同能楽堂=電076(264)2598

 

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